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◎参院の野党デマゴーグに3つの対抗策

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◎参院の野党デマゴーグに3つの対抗策
  自民は衆院の弛緩を戒め「着地」に備えよ
 参院は「良識の府」だが「再考の府」とも呼ばれる。首相・安倍晋三はせっかく衆院を通った安保法案を「再考」するわけがないが、それでは野党が安保法案の追及方法を「再考」するかと言えばしない。47歳で必死におばさん風になるのを食い止めている蓮舫が「辻元清美おばん」に代わって金切り声を上げる。なぜ上げるかと言えば、来年改選だからだ。首相・安倍晋三は「参院では良識の府ならではの丁寧な説明に力を入れてゆきたい」と“熟議”を期待している。確かにもう法案の成立は確定的であり、落ち着いた論議で安保法制の真の姿を浮き彫りにすべきだ。しかし参院野党はおそらく衆院以上に目立ちたがる質問者が大向こううけのポピュリズム質問に徹するだろう。したがって議論は平行線をたどってしまう恐れが強い。それでは安倍自身が認める国民の理解不足をどう解消するかだ。方法は三つある。
 一つは審議時間も結構長い与党の質問を活用することだ。普通与党質問というと記者席も居眠りが多くなる。なぜかと言えば与党議員は、自分の首相への売り込みとポストを狙ってか、ごますり、お追従質問が目立ち、実力者は私見開陳が長くなる。したがって寝ていてもニュースは出にくい。これを事前の打ち合わせを綿密にとることにより、国民に分かりやすい質疑応答に変化させるのだ。衆院でのやりとりをつぶさに観察したが、そのやりとりを整理すれば最も重要なポイントで平行線が多いことが分かる。
 まず決定的なポイントが「抑止力が高まる」VS「米国の戦争に巻き込まれる」の平行線。次に「合憲」VS「違憲」、「自衛隊のリスクは高まらない」VS「高まる」などでかみ合わず平行線をたどった。これらの急所についてなぜそうなるかを自民党に質問させ、答えるのだ。安倍がネット映像を使ったPR作戦「安倍さんがわかりやすくお答えします!平和安全法制のナゼ?ナニ?ドウシテ?」が分かりやすく好評だったのも、自民党女性議員との打ち合わせを経ているからだ。
 重要ポイントは視聴者が分かりやすいテーマごとに分けた質疑応答をすることかも知れない。衆院での質疑の場合テーマがごっちゃになり、集団的自衛権かと思えば後方支援をやっており、何が何だか分からなくなるケースが多かった。誰がどのテーマで質問するかなど調整するのだ。存立危機事態とは何か。米艦艇への攻撃をわが国への攻撃の『着手』と受け取り、個別的自衛権で対処出来るという主張は正しいのか。戦闘区域、非戦闘区域の判断、武力行使と警察権発動の違い、「海外派兵」はするのかしないのか、などテーマごとに事前の調整を済ませて質疑応答をすればかなり分かりやすくなると思うがどうだろうか。
 第二が「安倍さんがわかりやすくお答えします!」の継続だ。内容的には実に良かったが、欠点は場所が良くない。狭苦しくて、照明も悪く安倍の顔が暗く見えた。この際ルーズベルトの炉辺談話を踏襲して、首相公邸の喫煙室奥の暖炉でも活用してはどうか。シャンデリアも見事だし、演出効果も十分ある。常設的にセットを作って、安倍がいちいち出かけなくても、思いついたときや、国民に説明したいときに随時炉辺談話を発信するのだ。安保法制が済んだら他の話題、アベノミクスを始め例えば世間話やペットの話し、災害地視察の感想などでもいい。要するに安倍自らの人となりをネットで露呈するのだ。ネットなどは大げさに考えなくても、気軽かつ慎重に扱えばよいのだ。
 第三が衆院自民党の活用だ。とくに若手議員の活用が良い。田中角栄ではないが「戸別訪問5万軒」や街頭での演説で国民に直接訴えるのだ。野党は衆院は夏休みだろうから、自民党は夏休み返上で頑張らせるのだ。だいたい若手議員が夏休みや海外旅行なんてとんでもない話だ。やるやらないは別として「来年夏はダブルがあるぞ」と脅せば、飛び上がって動き出す。1-2年生の若手が当選するかどうかで勝負は決まる。それにはこの夏から必死で「安保法制の真実」を国民に定着させる努力をしなければ駄目だ。マンツーマンで説得しなければ、曲学阿世の「憲法違反」や、民主党や共産党の「戦争法案」のデマゴーグ戦略に破れる。概して若手は安倍の人気で当選する癖がついているから、甘い。この際体育会的にしごく必要がある。
 過去に参院で否決された法案の例は13例あり、そのうち郵政法案など10法案が衆院の3分の2で再可決している。野党は廃案に追い込むとしているが、廃案は3例のみだがたいした法案ではない。まず必ず成立するが、60日ルールの存在は政権にたるみをもたらす恐れがあり、「高名の木登り」の故事を拳々服膺(ふくよう)して着地に注意する必要がある。


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