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◎自民党は舛添「1人芝居」に惑わされるな

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◎自民党は舛添「1人芝居」に惑わされるな            杉浦正章
 政界から総スカンを食らって、有力自治体トップに秋波を送ったものの袖にされて孤立の図だ。前厚生労働相・舛添要一が焦っている。世の中に世論調査の次期首相候補ほどあてにならないものはないのに、ひたすらこれを誇示する様子だが、自民党のために汗をかかないから人望が湧かない。新党は「たちあがれ日本」に先を越され、その不評から後を追う議員は少ない。舛添はかつて威勢良く総裁・谷垣禎一を批判したが、党執行部の巻き返しで八方ふさがりに陥った。大阪府知事・橋下徹も宮崎県知事・東国原も「孤立の舛添」と組んでプラスはない。「舛添新党」を敬遠している。自民党執行部は、舛添のパフォーマンスの自転車操業を無視すべきだろう。
 新聞各紙の報ずる「総スカン」の図は、全紙合わせると舛添の立ち位置がよく見えてくる。毎日は「ある若手議員は『党を出る、出る』と周囲に期待させて、結局出ない。『出る出る詐欺だ』と冷ややかに語る」そうだ。読売は「ある中堅議員は『1人で飛び跳ねて、離党する雰囲気が強まっている。ついて行く議員はほとんどいないだろう』と語った」という。産経も「資金がない上に、だれも本気で舛添氏を担いで支えようとはしない中で同志を探すのも難しそうだ」と孤立状況を伝える。
 自分でも孤立がよく分かるから、知事との連携を探ったのだろうが、橋下は「政治に出るつもりはない」、東国原も「任期いっぱい全身全霊を県政にささげる」とにべもない。こういう雰囲気の中で政治家の発言も厳しさを増し、政調会長・石破茂は「党の議論の過程には参加しないで、東国原知事や橋下知事と政策を議論するというのは、政党人としてどうか。違和感を持つ」ともっともな論理を展開。自民党外の思わぬところからも批判の矢が飛んだ。民主党の渡部恒三が「政局に何も関係ない。ただテレビに映るためにやっているだけのことだ」とまさに図星を突いている。
 谷垣が舛添を説得しようと掛けた電話に出ず、事務所も「今、静かに瞑想(めいそう)中」と取りつがなかったことに対し、党内から谷垣への同情論が出ている。谷垣は近く舛添に“三顧の礼”で最後の協力を要請するようだ。舛添の高人気になお頼りたいのだろうが、もう普天間と「政治とカネ」のもたらす政局の緊迫感と切迫感は、タレント議員を活用して票を取ろうなどという段階を通り過ぎているのではないか。自民党執行部は断末魔を迎えた普天間問題と「政治とカネ」、低迷する経済財政再建を愚直かつ真剣に追及すべきときだ。参院選前の新党旗揚げとなれば公職選挙法上5月2日が期限だが、「舛添新党」など大きな動きになりようがない。人望とカネがなくては数が集まるまい。自民党は舛添の耳目集めの1人芝居に付き合っている暇はない。


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