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◎俳談

◎俳談
【言葉を発見したらまず一句】
轢音もなしにうつろふ銀河かな 読売俳壇入選
 轢音の轢は昔の車がきしむこと。従って轢音は車のきしむ音。掲句はそのきしむ音もなしに大銀河が回っている事を表現した。もちろん真空状態だから音はしない。当たり前のことを読んだのだが、俳句では芸術へと昇華される。大宇宙の営みの不思議を五七五の世界へと切り取ったのだ。ポイントは轢音という言葉の発見にある。そして発見したらその場で一句つくる習慣が必要だ。「星座はめぐる」の中にある名文句「無窮(むきゅう)を指さす北斗の針と きらめき揺れつつ星座はめぐる」を思い浮かべた。

◎キューバ危機を上回る北朝鮮危機だ

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◎キューバ危機を上回る北朝鮮危機だ
  政府は臨戦・迎撃態勢を整えよ
 早期の「敵基地反撃能力」の決断を
 米ソ核戦争の危険に陥った1962年10月から11月にかけてのキューバ危機は、当時の米大統領ケネディとソ連首相フルシチョフが書簡でやり取りしながら、最終的にソ連が核ミサイルを撤去して、衝突には至らなかった。それに匹敵するとも劣らない今回の北朝鮮危機は。トランプと金正恩の間に何らの意思疎通が成立しないままに、一触即発状態になだれ込んでいるように見える。過去数年の事例からみても北がミサイルで方針を宣言した場合は必ず実行に移しており、実行に移せばトランプは90%以上の確率で迎撃して破壊せざるを得ないだろう。これが全面戦争に直結しかねない要素もある。国防長官ジェームズ・マティスは「北の体制崩壊」を警告している。一方、米軍の攻撃で壊滅寸前になっても北は日本の米軍基地への核ミサイル攻撃を断行、最悪の場合1から2発が大都市に落ちる可能性は否定出来ない。まさにその瀬戸際の状況に陥りつつあると警戒すべきであろう。政府は迎撃など臨戦態勢を整えるしかあるまい。
 状態を甘く見ない方がよい。北の狂気の指導者金正恩は核ミサイルの誇示で、体制を維持するしかないからだ。この「北の狂気」は中央通信を通じて「中距離弾道ミサイル『火星12号』4発を同時に米領グアム島周辺に向けて発射する計画を検討していると発表した。ミサイルは島根県、広島県、高知県の上空を通過し、グアム島周辺30~40キロの水域に着弾することになる」とした。これに対して米軍がどのような対応をするかだが、予想されるのは3段階での破壊だ。まず発射する場所が分かればブーストフェーズでトマホークなどを使って破壊する。飛び上がった段階では日本海からTHAADやイージス艦搭載ミサイルで撃ち落とすことになろう。グアム近海ではグアム配備の対ミサイル防衛網を使うか、イージス艦を急きょグアム周辺に配備して迎撃するなどの対応が取られる可能性が高い。これらの対処を複合的に行う可能性も否定出来ない。今回の場合時期は「中旬」、標的は「グアム周辺」と分かっているので比較的対応がしやすく、かなりの確率で4発全てを破壊できる可能性が高い。
 トランプの直接的な言及は今日発せられると見られるが、既に北の軍事行動を見越してトランプは、「北はこれ以上アメリカを威嚇しないほうがいい。世界が見たことのないような炎と激しい怒りに直面するだろう」と言明した。NBC放送によれば米軍は「B1爆撃機や巡航ミサイルによる北の発射基地などに対する精密爆撃を実行する準備を整えた。大統領の命令があればいつでも攻撃可能だ」としている。恐らくトランプは北にグアム周辺攻撃を“宣言”されて、黙っていることはないだろう。だまっていればこれまでの北への強硬姿勢は何であったかということになる。それこそ大統領の威信は地に落ちる。さらに重要なのはグアム周辺への攻撃を看過すれば、今後「北の狂気」はヤクザの脅しのごとく、ハワイ周辺、サンフランシスコ・ロサンジェルス周辺、ニューヨーク周辺への実験へと、どう喝のスケールを確実に拡大するであろうことだ。既に対北忍耐も限界に達しつつあり、米国務長官ティラーソンの穏健発言でバランスを取る時期も過ぎたのではないか。マティスは「北の指導者は体制の崩壊や国民の破滅につながるような行動を考えるべきではない」と警告している。
 一方日本は国会で防衛相・小野寺五典が、10日、北朝鮮が日本上空を通過して弾道ミサイルを発射した場合、昨年3月に成立した安全保障関連法に基づき、集団的自衛権を行使して迎撃する可能性があることを表明した。グアム島周辺への攻撃が、日本と密接な関係にある米軍への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされる明白な危険がある「存立危機事態」に該当する可能性があるとの認識の上に立っての対応だ。小野寺は「米側の抑止力、打撃力が欠如することは、日本の存立の危機にあたる可能性がないとも言えない」と語った。相変わらず民共など野党や朝日は反発しているが、至極まっとうな考えだ。
 さらに時事によると、防衛省は10日、ミサイル通過を予告された中国・四国地方で、地上から迎撃する地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を展開する方向で検討を始めた。北朝鮮のミサイルに不具合があった場合、日本国内に落下する不測の事態も排除できないため、PAC3の展開を検討しているとみられる。ただ日本上空を飛ぶ場合は200キロの宇宙空間となる可能性が高く、領空の概念は大気がある100キロとされているため、実際にPAC3が使用される場合は日本に落下してきた場合などに限られるものとみられる。
 こうした状況下で日本政府に求められる問題は一刻も早い敵基地反撃能力の保有である。1956年に鳩山一郎内閣が次のように政府見解を示しており、憲法上の問題はない。「誘導弾等の攻撃を受けて、これを防御するのに他に手段がないとき、独立国として自衛権を持つ以上、座して死を待つべしというのが憲法の趣旨ではない」である。自民党の安全保障調査会は3月に、北朝鮮の核・ミサイルの脅威を踏まえ、敵基地を攻撃する「敵基地反撃能力」の保有を政府に求める提言をまとめ、首相・安倍晋三に提出した。調査会の座長を務めた小野寺五典は「何発もミサイルを発射されると、弾道ミサイル防衛(BMD)では限りがある。2発目、3発目を撃たせないための無力化の為であり自衛の範囲である」と言明している。防衛相に就任してからは慎重に言葉を選んで発言しているが、もはや緊急事態である。自民党は一致して対応できる野党との協力体制を早急に整えるべきであろう。
 そもそも日本が緊急事態の時に米軍が本当に行動を起こすかについても疑問が残るのは否めない。先に伝えたように米国には北と妥協して、米本土に届かない中距離核ミサイルまでは認めるという日本にとっての「悪夢の選択」が妥協案として存在する。いくら緊密でも、独自の「敵基地反撃能力」くらいは保有すべきではないか。まさに専守防衛とはこのことでもある。
 それにつけても不可解なのは金融市場の動きだ。ウオールストリートジャーナル紙も首を傾げているが、トランプが米大統領が北朝鮮に対して「世界がいまだ目にしたことのないような炎と怒りに直面するだろう」と警告したわずか数時間後に円がドルとユーロに対し上昇したのだ。同紙は「核武装の道をまい進する独裁国家と日本との近距離に対する懸念よりも、安全な逃避先通貨という円の位置づけの方が重要だということだ」としているが、カネのためなら何でもする銭ゲバ達の考え方は理解の範疇を超えている。

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