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◎普天間と「政治とカネ」が政権を挟撃

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◎普天間と「政治とカネ」が政権を挟撃            杉浦正章
 これほど政局らしい政局もめずらしいのが普天間政局だ。首相・鳩山由紀夫が政治生命をかけた“腹案”は白日の下に出た瞬間に破たん。5月政局が首相の責任問題を軸に展開する様相だ。加えて20日衝撃の情報が永田町を駆け巡った。小沢一郎を不起訴とした「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件処分の妥当性を審査している東京第5検察審査会の議決が近いというのだ。起訴の流れとなれば休眠していた「小沢辞任」論にも再び火がつく。鳩山政権は前門の虎後門の狼の危機に瀕した状況だ。
 腹案についてはいまだに鳩山は認めていないが、徳之島案そのものであろう。極秘裏に過去4カ月にわたって地元関係者にさまざまなルートで打診し続けてきたものだが、鳩山政権の秘密保持能力は「分秒単位で漏れる」と揶揄(やゆ)されているだけに、あれよあれよという間に18日の現地移設反対集会へと発展。誰が見ても手遅れとなったにもかかわらず官房副長官・ 滝野欣弥が20日関係三町長に電話して門前払いを食らった。うろたえて政権は前が見えなくなってきている。ひとえに官邸トップの指導力欠如に起因する問題だ。徳之島案破たんの意味するものは、鳩山の公約「最低でも県外」路線の破たんを意味するものにほかならない。もはや県外のどこに移そうとしても同様の住民運動が発生する。
 新聞の見方も一段と厳しさを増し「首相の責任問題に直結することは避けられない」(毎日)という線で各紙共通の論調となっている。官邸にも悲壮感が漂い始めており、東京新聞によると「普天間問題で自爆だ。九回裏逆転ホームランがあればいいんだけど、そんなものあるのか…」という声が首相官邸から聞こえるという。
 こうしたなかで注目されるのが冒頭挙げた検察審査会だ。同審査会は、東京地検特捜部の検事から意見聴取をするなど小沢不起訴の是非についての審査を続けてきたが、月内にも議決する公算が大きくなってきている。というのも東京第5検審では、審査員11人のうち6人の任期が4月末となっているため急ぐ必要があるのだ。「不起訴不当」や「起訴相当」といった議決になれば、鳩山退陣論に加えて「小沢辞任論」が再燃するのは避けられない。小沢は自らの辞任論が党内で復活するのがもっとも気になるところであり、「外の敵は怖くない。うちの中で結束さえすれば」と強調するのも第2第3の“生方の乱”を懸念してのことだ。加えて鳩山の処分の妥当性についても、近く検察審査会の議決が出る予定となっているようだ。また22日には東京地裁で首相の元公設第1秘書、勝場啓二への判決がある。有罪判決が首相を直撃する。あきらかに政権最大の“急所”である「政治とカネ」と普天間が虎と狼になって政権を襲う構図がはっきりしてきた。


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