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◎支持率20%台の蟻地獄 

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◎支持率20%台の蟻地獄 
 政権は内閣支持率30%が蟻地獄(ありじごく)の淵、20%台が斜面に落ちてもがく姿とみればまず間違いない。政権担当以来初めての政局とあって、そのもがきっぷりが場馴れしていない。初々しいというか稚拙というか、論理的にもあやしいのだ。これに対して参院自民党のドン青木幹雄の持論は「内閣支持率と政党支持率の合計が50%を切ると退陣」だが、これも論理的にはあやしい。しかしこのアバウトなジンクスが最近は当たるから不思議だ。
 「決して投げ出さない」が漏れ来る鳩山の言葉だが、敏感に観察すると焦燥感がひしひしと伝わる。「メディアがいろいろ動きすぎ」とマスコミ批判に走るのも古くは岸信介、佐藤栄作以来末期を迎えた首相の陥る発想だ。党首討論で「腹案がある」発言も、苦し紛れのもっともらしさを演出しただけ。日米首脳会談でたった10分の会談にすがるのも哀れさすら感ずる惨めな姿だ。腹心の官房長官・平野博文も問題の所在がよく分かっていない。当選5回で全く政局など無縁の履歴だったから無理もないが、言うことに説得力がない。「国民の意思で政権交代させてもらった。その期待に沿うことさえ首相が政策遂行上持ちつづけていけば、進退の問題ということは全くない」と述べたが、誰でも反論できる。首相の政策遂行能力がないから進退にかかわってきているのである。支持率回復も「国会に提出している法案を成立させ、政策遂行につなげる」「予算が執行されれば変わってくる」と述べるが、これもはかない期待に過ぎない。子供手当のばらまきなどは「政治とカネ」と「普天間」にかき消されて、効果は極めて限定的だ。政権交代のたらい回しで自民党が信頼を失ったことを理由に挙げても、信頼喪失は鳩山自身が作っているのだから論理構成に無理がある。
 こうした論理でなく政治優先の発言にはアバウトな政治論で反論するに限る。冒頭挙げた青木の「内閣支持率+政党支持率が50%を割れば退陣」だ。朝日新聞の最新調査は「内閣支持率25%+政党支持率23%=48%」だから「退陣」となる。最近では森喜朗、安倍晋三、福田康夫がその範ちゅうに入る。話としては面白いが、内閣支持率だけで40~50%でも辞めたのが海部俊樹、細川護煕、羽田孜、小渕恵三、小泉純一郎だから、しょせんは飲み屋の話題程度の話だ。
 しかし政権が本当に5月政局を乗り切れるどうかだが、一つの要素は、小沢が「普天間」から遠ざかり始めていることが気になる。普天間では一切発言を避け19日も「外の敵は怖くない。うちの中でゴタゴタしてはいかん」と抽象論にとどまっている。あえて火中の栗を拾わず自らの“温存”をはかっているとしか思えない。先に「いろいろ難局もあるかもしれないが、それを乗り越えて参院選につなげていきたい」とも述べていることも考え合わせると、普天間から遠ざかり始めたことは鳩山にも距離を置く姿に見える。まあいずれにしても先にシュミレーションした4つの例(3月29日)のうち、5月か6月に退陣しない場合には、国民感情はどうなるかだ。国民の拒絶反応を押し切って居座った場合、国民はまさに「おんぶお化け」に取りつかれたような“鳥肌”が立つ思いに陥るだろう。この生理的嫌悪感が支持率をさらに下げる。支持率も10%台に突入は間違いなく、10%を割って竹下登の4.4%と同程度になる可能性も除外できない。明らかに「参院選挙大敗での退陣」が待っている。蟻地獄の急斜面が短いか長いかの違いでしかないだろう。


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