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◎俳談

◎俳談
【鍋を詠む】
みちのくの言葉短し鮟鱇鍋 毎日俳壇入選
 「中国人には鯨鍋と鮟鱇鍋を教えるな。皆食われて資源が枯渇する」というジョークがあるが、当たらずとも遠からじ。鮟鱇鍋は近ごろ皆知っているが、鯨鍋はまだ一部の通に限られている。鯨の脂身や尾の身(尾肉)などを野菜と一緒にことことと煮込んだ鍋をポン酢で食べる。まさに絶品の味である。その後、ご飯を入れておじやにする。海苔を振りかけて食べるのだ。この世のものにあらぬほどの味のかたまりがのどをすり抜けると、味覚神経がフル動員されて、過去に味わった鍋と比較する。しかし、すべてが負ける。酒は芋焼酎の水割りに限る。
 鍋は冬の季語だが、鍋のつく季語は種類も多く、バラエティに富んでいる。ふぐちりも鯨鍋のつぎにおいしい。築地の東京タワーを遠望する店がうまかった。
ふぐちりや東京タワーを遠望す 東京俳壇二席
何も食べているときだけを詠む必要は無い。食材そのものを詠むケースも多い。
吊り鮟鱇人すれすれに通りけり 毎日俳談入選
狭い道での鮟鱇の吊るし切りを詠んだ。
 やはり人生に絡めると深みが出る。
湯豆腐にふと借命の思ひかな 東京俳壇入選
湯豆腐のあまりのうまさに長生きしたくなったという意味だ。冬の鍋ほど俳句に適している食事はあるまい。

◎中国、対日関係改善で突破口狙う


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中国、対日関係改善で突破口狙う
  日中友好条約40周年で習近平来日か
 筆者がかねてから指摘してきた極東冷戦の構図が、新年になっていよいよ鮮明になった。米中関係は11月のトランプ訪中による蜜月関係から一転して険悪とも言えるムードとなった。これを受けて米国防戦略も2008年以来の「テロとの戦い」から「中露との長期的な競争」へと大転換した。日米同盟は好むと好まざるとにかかわらず、その中核に位置づけられる。中国は対日接近で日米豪印による「インド太平洋戦略」の包囲網を突き崩そうとしている。対中関係は改善に越したことはないが、中国の“意図”を見据えた対応が不可欠となろう。しかし、首脳間の交流は推進すべきであり、習近平の来日は欠かせない重要テーマだ。
 外相河野太郎の訪中は一定の成果を収めたが、中国側の出方は「日中友好条約締結から40年の節目」が合い言葉のようであった。首相李克強を始め国務委員楊潔チらが口をそろえて「40年の節目」を口にした。中国政府内部のの「口裏」合わせがあった事は間違いない。中国を取り巻く情勢を見れば、北朝鮮は言うことを聞かないし、韓国とも良好ではない。米国ともうまくいっていない。東アジアでは孤立しているのが実態だ。中国は国内的には貧富の差が拡大して国民の不満が募り、共産党が否定してきた階級社会が実現しつつある。内政外交共に矛盾を抱える中での対日接近であろう。首相・安倍晋三は背景を理解して対中外交を展開するチャンスである。
 安倍は施政方針演説で「自由で開かれたインド太平洋戦略を推し進める。この大きな方向の下で中国とも協力してアジアのインフラ需要に応える」と言明した。中国の基本路線は「一帯一路」にのっとった世界戦略にあるが、安倍が最初に提案したインド太平洋戦略はこれに対峙する性格が強い。従って安倍演説は矛盾を帯びながらの現実路線と言える。日中関係は尖閣諸島の領有権問題を抱えるだけに、この急所をあえて突かずに関係の改善を進めるしか方法はあるまい。昔田中角栄が周恩来との会談で尖閣諸島の領有権問題を事実上「棚上げ」して日中関係を劇的に好転させたのが歴史の教訓であろう。
 一方米国は対中関係を180度変更させた。昨年11月のトランプ訪中では蜜月を謳歌したものだ。トランプが「中国の人々との友情は今後強化され続ける」と友好をうたえば、習近平は「米中関係はライバルではなくパートナーだ。関係発展の潜在力は無限だ」と答えた。その後、たった二か月で急転直下舞台は暗転した。米国は昨年末には「国家安全保障戦略」で、米国第一主義に基づく「強いアメリカ」確立を目指す姿勢を前面に押し出した。そして中国とロシアを国際秩序の現状を力で変更しようとする 「修正主義勢力」と位置づけた。
 ついで国防相マティスが1月19日に発表した「国家防衛戦略」では「米国と中国およびロシアとの大国間競争への回帰」を明示した。同文書では中国を、米国の覇権に挑戦する最大の脅威とみなし、「対テロ」から、中国とロシアとの長期的な「戦略的競争」に備える方針を打ち出した。文書は「中国は地域的な規模で米国の主導的地位に取って代わろうとしている」と情勢を分析。さらに「中国、ロシアとの長期的な『戦略的競争』が国防総省の最優先事項となる」として、同盟関係の強化を強調している。この米国の強硬方針の背景にはマティスがアジア・太平洋地域担当の国防次官補にランドール・シュライバーを抜擢したことも背景にあるようだ。シュライバーは台湾との関係が深く、中国の軍拡や対外政策に否定的な立場である。米国が、中国の東シナ海や南シナ海問題などに対して、強硬姿勢で臨む姿勢を鮮明にした人選と言える。
 これに対して中国は猛反発したことは言うまでもない。国防省のホームページで「事実をねじ曲げ、中国の国防力を誇張している。米国が冷戦時代への指向を捨てるよう希望する」と批判。それでもたりないとばかりに国防省報道官任国は「アメリカの国防戦略は事実を顧みず、中国脅威論を誇張し、事実に基づいていない」と口を極めて断定した。
今後の中国の対応は、トランプ政権が中国と対峙するなら、ロシアとの関係を一層深め、同時に「インド太平洋戦略」の国々を一つ一つ籠絡して、無力化を図ることになろう。ただ主要国のうち米国は対峙の中心であり、中国が懐柔することは難しい。豪州も親中派とみられていた首相ターンブルが安倍との会談で、方針を一転。海洋進出の中国を念頭に「太平洋やインド洋など海上の安全保障の協力強化」で合意した。日米豪印の枠組みでの連携も確約した。インドは中国と国境を接しており、歴史的にも戦略的にも相容れない傾向が強い。だから中国は、対日関係を良好に保ち、長期的な視野で連携を崩しにかかるしかないのだ。その最大の“呼び水”が対日首脳外交だ。その具体的戦略は、まず日中韓の首脳会談を春に開いて李克強が訪日する。親密度を深めた上で、習近平が訪日して関係を最良のものとする。既に1998年の日中平和友好条約締結20周年では、江沢民が史上初めての中国国家主席として公式に来日、30周年に当たる2008年には胡錦濤が来日している。となれば40周年の今年中の来日が実現する公算が大きい。日中それぞれの思惑が錯綜するが、首脳間の交流で対話を深め、関係を前進させるのが最良であり、何としてでも実現させるべきだ。