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◎俳談

◎俳談
【一句一季語の鉄則】
房総の卯波とどろき月上る   毎日俳談1席
 掲句は鈴木真砂女の故郷である千葉県鴨川市の旅館に宿泊したときに作った。房総半島の卯波がとどろくものであることを初めて知り、感動したものだ。ここで注目すべきは卯波は夏の季語であり、月は秋の季語である。俳句では一句に二つの季語を使うことを季重なりとして戒めているが、これは季語同士が同等の力を発揮するときに限る。強弱がついていれば違和感がない場合が多い。掲句は本旨が房総の卯波のとどろきを驚異の念をもって受け止めたものと分かり、月はいわば補完作用を及ぼしている。こういう場合は許されるケースだ。芭蕉にも季重なり句はたくさんあるが代表句が
春なれや名もなき山の薄霞      芭蕉
 春と春の季語の「霞」がバッティングしている。これも名もなき山の薄霞を「春なれや」が補完してをり、許容範囲である。しかし初心者のうちはまだその強弱を判断出来る能力に欠けるから、一句に二つの季語を絶対に使わないよう習慣づけるべきである。一句一季語が鉄則とまず肝に銘じなければならない。

◎北、融和攻勢で日米韓分断図る

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 ◎北、融和攻勢で日米韓分断図る
  韓国は“やらずぶったくり”に遭う
 「時間稼ぎ」が見え見えの北戦略
  キーワードは「時間稼ぎ」に過ぎまい。微笑外交で韓国を油断させ、オリンピックの滞在費をむしり取り、国際社会を朝鮮半島緊張緩和の“一炊の夢”にひたらせる。隙あらば日米韓の連携から韓国を引き離す“くさび”を打ち込む。この北の攻勢に、融和路線の左翼大統領文在寅の顔は、テレビに出るたびに負けそうな印象をもたらす。甘っちょろくて見ていられない。北はここを先途とばかりに日米韓連携の最大の弱点である文を突く。「民族自主」を主張する北のペースに、文は、はめられた感じだ。そこには日米韓の連携に何としてでもくさびを打ち込みたい北の思惑が明確に存在する。そして米本土に到達する大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成させるための時間稼ぎをする。これが北の戦略だ。
 南北会談は7対3で北の勝ちだ。北はオリンピック参加という錦の御旗で韓国をひざまずかせた。一方で、失うものはゼロだ。オリンピックには選手団、応援団、高官級代表団を送ることが確定した。一方で韓国側が要求した朝鮮半島非核化の推進には、強い不満を示して合意どころではなかった。北は一大プロパガンダの場としてオリンピックを政治利用する。場合によってはオリンピック代表団に金正恩の妹の金与正を送り、トランプの娘のイバンカが列席すれば会談を実現させるところまで考えているかも知れない。
 北は表には出ていないが米韓がオリンピック後まで延期した米韓軍事演習の中止に言及した可能性も否定出来ない。今後軍の当局者同士の会談が行われることになったが、ここでは間違いなく軍事演習の中止を要求するだろう。文在寅は北と米国に挟まれて苦渋の選択を求められる。おまけに北は経済支援などを韓国側に要求する可能性が強い。文が応ずれば国連制裁決議が崩壊する危険をはらむことになる。北は9月に建国70周年の節目を迎える。景気づけのために、まだ未完成な段階にあるICBMの実験をする必要がある。米本土に到達させるには大気圏再突入技術を確立する必要があるのだ。そのためにはこれまでの通常よりも角度を上げて高く打ち上げるロフテッド軌道ではなく、通常軌道の実験が必要となる。オリンピックでの融和姿勢はそれまでの時間稼ぎに過ぎないと見るべきであろう。
 金正恩は正月の演説で「核のボタンが机の上にある」と太った顔ですごんで見せたが、大人げなくトランプも「私の核のボタンは遙かに強力だ」とツイートした。鶴田浩二の歌の文句ではないがまるで「馬鹿と阿呆の絡み合い」といった風景を新年早々世界は見させられた。それでは極東核戦争は勃発するのだろうか。しないだろう。ケーススタディをすれば3択がある。第一は「北による核の奇襲攻撃」だが、日韓は滅びるが米国が壊滅的打撃を被ることはない。したがって、米国は圧倒的な報復力で平壌を消滅させ、ロケット基地も壊滅させる。金正恩は核爆発で遺体も残らない。いくら威張っても「自殺行為」をする度胸はあるまい。
第二は「米国が北を最初に奇襲攻撃する」ケースだ。もちろん日韓の同意なしで行われる場合だが、攻撃対象が分散しているため一挙に壊滅させることは困難だ。撃ち漏らした核ミサイルが一発でもソウルや東京に落ちれば韓国も日本もその長い歴史の幕を閉じる。終末だ。トランプが狂わない限りあり得ない。トランプ乱心となれば国防総省はクーデターを起こしてでも止めるだろう。
 第三に「偶発的衝突による核戦争」だ。この説はまず米国の軍隊の仕組みを知らない。米国ほど文民統制が確立している国はなく、世界一統制のとれた軍隊だ。これが偶発的にでも戦争を起こす可能性は極めて少ない。北も、同様に核の管理は国の存亡をかけた最優先事項だ。誰よりも命がほしくてすごんでいる金正恩が核の管理を怠ることはない。
 こう見てくると極東の核戦争はありそうでないものの筆頭にあげられる。トランプと金正恩が外交的、政治的に優位に立とうとして核を活用しているだけだ。だからと言って、日本が無防備でいいかといえばとんでもない。日本はハリネズミのようにミサイル防衛体制を整えなければならない。敵基地攻撃能力を保有して、金正恩のやる気をなくさせ、中国やロシアをけん制するのだ。新型戦闘機F35に巡航ミサイルを装備し敵基地攻撃能力を保持すべきだろう。弾道弾を撃墜するイージスアショアはこれまでのイージス艦とPAC3で北のミサイルを防衛する方式に加えて導入されるもので、2023年頃の運用に向けて秋田市と萩市の自衛隊基地に設置される。F35が離発着できる空母も早期に建造か改造する必要がある。もっとも垂直離発着可能なF35なら現在の空母でも活用可能だ。基本戦略を積極防衛へと転換しなければ極東の戦争抑止は確立できない。

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