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◎俳談

◎俳談
豊作や山野豊かに稲光    NHK俳壇入選
 稲妻は稻の夫(つま)の意味で、稻が雷光と交わって実るとの言い伝えから生まれた。掲句はそれを意識して作った。まず豊作と置いて実りの秋を強調し、続く中、下の句で稲光が山野にいっぱい生じている様を詠んだ。気をつけねばならないのは雷(かみなり)は夏の季語で、稲妻とは全く性格を異にするということである。稲妻は鑑賞の対象になる。現に、「稲妻観賞会」をする粋人を知っている。秋になって海と空が雷雲に覆われ、真っ暗になった頃。冷たい缶ビールと枝豆なんぞを用意し、部屋の灯りを消し、準備万端で待機するのだ。今日の稲妻は60点などと点をつける。ワシントンにいたころ、マンションの高層の部屋から、バージニアの大平原に走った集中爆撃のような稲妻の光景は忘れられぬ。一方雷の方は、慌ただしくてそのゆとりはない。
中村汀女も稲妻を楽しんでいたのであろう。
稲妻のゆたかなる夜も寝べきころ 中村汀女
がある。橋本多佳子の句は名句中の名句だ。
いなびかり北よりすれば北を見る 橋本多佳子
ごく当たり前のことを言いながら稲光の本旨を貫いている。

◎朝鮮半島、冬から春にかけ激動の様相

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◎朝鮮半島、冬から春にかけ激動の様相
  飢饉に近い食糧難発生の可能性も
 既に国内で動揺の兆候
 ワシントンを射程に入れたと称する北朝鮮のICBMの実験は、断末魔の悪あがきかもしれない。その合い言葉は「厳しい北の冬」だ。首相・安倍晋三が29日の参院予選委で度々使ったこの言葉を分析すれば、国連制裁決議が効果を現すのは冬以降ということになる。どんな効果かと言えば「飢饉に近い食糧難」ではないかと思う。朝鮮半島は歴史上何度も飢饉に見舞われており、最近では1996年から99年までの間に餓死者300万人を出した「苦難の行軍」の例がある。このところ頻繁に日本の海岸に流れ着く木造漁船が、何を意味するかと言えば、金正恩政権が漁船の能力を超えた漁業を強制的に行わせているからにほかならない。食糧難で漁民を追い出すように冬の日本海に向かわせているのだ。沿岸の漁業権を中国に売り渡した結果、日本の排他的経済水域で豊かな漁場の大和堆(やまとたい)まで遠征せざるを得なくなったことを意味する。外相河野太郎も、「これから冬に向けて制裁の効果が現れると認識している」と述べた。食糧難発生となれば過去に中国、ロシアが行った食料援助が考えられるが、少なくとも中国は金正恩政権のままで援助するかどうか疑問だ。特使に金正恩が会わず、こけにされた習近平が激怒しているとの情報もある。金正恩の破れかぶれの暴発もありうる。朝鮮半島情勢は冬から春にかけて激動の状態に突入する可能性がある。
 参院予算委員会はこの緊迫する情勢の中で野党の愚かな質問者が愚にもつかぬモリカケ論争を延々と仕掛ける場面があったが、民進党の增子輝彦や自民党の山本一太など心ある質問者は焦点を北朝鮮に絞った。安倍は手の内を北に知られては元も子もないためギリギリの範囲で答えたが、分析しなければ分からない抽象的表現が多かった。その内容は「これから北朝鮮は厳しい冬を迎える。習近平主席とは厳しい冬を迎える中、北朝鮮における制裁の効果を注意深く見極めて行くことで一致した。トランプ大統領も同じだ。厳しい冬を迎えるという中において制裁の中身を十分に考えたらどういう意味を持つかと言うことで理解いただきたい」というものだ。1回の答弁で「厳しい冬」を3回も使うのは異例だが、首相の言わんとするところは推理を働かせるしかない。
 安倍はこれに加えて中国と北の貿易について「9月10月の輸入額は38%減。輸出額は8%減。石油製品も国際社会が3割絞る。日本なら3割絞られたら立ちゆかなくなる」とも言明した。一連の答弁からは、金正恩がこの冬を乗り切れるかどうかに焦点が合っていることが分かる。石油や食料がストップすれば、ただでさえ栄養不良の状態でかすかすの生活を送っている国民は飢えと寒さという二重苦に直面する。逃亡兵の腸から大量の回虫が発見された事実は、日本の戦争直後の状態を思わせる。人糞を肥料にしている結果、回虫が人から人へとめぐっているのだ。朝日によると、国内数カ所の市場で商人が集団で「核兵器だけが問題解決の答えなのか」「第二の苦難の行軍だ」などと抗議し、逮捕されたという未確認情報もある。
国内の動揺が始まった感じが濃厚である。
 こうした状況を見て韓国の統一相趙明均(チョ・ミョンギュン)は10月30日、国際社会による経済制裁により、北朝鮮の経済事情は1990年代に数百万人ともいわれる餓死者が発生した「苦難の行軍」当時よりも悪化する可能性に言及した。講演で「北が1990年代半ば、金日成主席が死亡してから食糧難で非常に苦労したが、場合によってはその時より経済事情が悪化するかもしれないとみている」と述べた
のだ。亡命した元駐英北朝鮮公使太永浩(テ・ヨンホ)はかつて「民衆蜂起による金正恩政権の崩壊もあり得る。監視態勢が発達しているため軍のクーデターは起こりにくいが民衆が蜂起すれば監視委員も蜂起に加わる」と予言している。
 その際、破れかぶれになった狂気の独裁者金正恩の暴発はどのようなケースが考えられるかだが、米国へのICBMに核弾頭を載せることは再突入の技術が確立していないため無理だが、日本の米軍基地には200発あるノドンが届く。核や、VXガス、細菌兵器を搭載したノドンを東京が食らえばそれで日本は崩壊する。この特殊事情についてトランプに説明しているのかを問われて安倍は「トランプ大統領とは相当踏み込んだやり取りをしている。北が様々な選択肢を使った場合のそれぞれの国への影響について当然話をしている」と言明した。これを有り体に言えば「日本がミサイル攻撃を受けるような事態は絶対避けてくださいよ」という、ダメ押しをしていると推測できる。
 山本は核保有を容認して対話に入ったり、米韓合同演習中止と事実上核保有を認める核開発の凍結などという「ダブルフリーズ論」が米国にあることについて質した。安倍は「ロシアと中国がダブルフリーズの考えを示しているが、その考え方は採らない。日本はノドンの射程距離に入れられているから核ミサイルを完全に検証可能な形で廃棄するよう求めていく」と約した。
 今後注意しなければならないのは、北の工作員が日本でテロなどで蜂起する事態や、北からの難民が大挙押し寄せる事態だが、安倍は今こそテロ等準備罪の適用をちゅうちょなく断行するべきだし、安保法制に基づく米軍との密接な連携を推進すべきだ。安倍が法案を強行して成立させたのは先見の明があった。野党は今更ながらに致命的に重要な法案に真っ向から反対したことを恥じ、国民に陳謝すべきだ。政府は不即の事態に備えて迎撃能力のさらなる強化を図ると共に、専守防衛の姿勢を極東自体の急変に合わせて転換し、敵基地攻撃能力の保持を早急に実現すべきだ。

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