SSブログ

◎俳談

◎俳談
【カワセミ】
翡翠の阿修羅の如く狩りにけり NHKフォト俳句特選 
 翡翠の日本画は多くの画家が描いているが、20年間もひたすら翡翠を撮りつづけているとどんな名画でも難点があるのに気付く。どこか実際と違うのである。姿勢も違う、飛ぶ姿も違う。昔の画家が精密に描けるのは、鳥刺しから買って描いたためと言われる。鳥刺しとは江戸時代鷹匠の下で鷹の絵となる小鳥を捕る職業の者。従って生きた翡翠を描いていないのだ。ましてや水中の翡翠の姿など想像もつかなかったであろう。筆者はどうしても水中の写真を撮りたくて、一計を案じて撮影に成功した。恐らく北斎なら飛び付いて描いた垂涎の姿であろう。デジタルで見る画像は悪鬼そのものであった。最初は<翡翠の悪鬼の如く狩りにけり>とやったが、悪鬼よりも阿修羅の方が恐ろしさを感じると推敲した。

◎韓国の「コウモリ外交」が極まった

DSC_0950_00056.jpg

◎韓国の「コウモリ外交」が極まった
 エビと慰安婦の文に「ルーピー賞」を差し上げる
 「トランプは安倍に相談」と韓国紙
  朝鮮日報が、韓国大統領文在寅の外交を批判した。6日の社説で「このままだとトランプ大統領は北朝鮮問題で何か行動するときはまず安倍首相と相談するようになり、韓国とは完全に順序が入れ替わってしまうだろう。これは安倍首相の一言が米国の対北朝鮮政策に大きな影響を及ぼすことを意味する。なに故このような状況になってしまったのか到底納得できない」と見事な論調を展開している。確かに
トランプ訪韓で鮮明になったのは、文在寅の「コウモリ外交」だ。コウモリ外交とはイソップの寓話集に収められた「卑怯なコウモリ」に由来しており、国の外交で、見解や利害が対立している国のどちらに対してもいい顔をして、おもねる。そうかと思えば、寝返るような態度を指す言い方である。それもそうだろう。文在寅はやはり「コウモリ外交」と批判された大統領盧武鉉の秘書時代に、そのスローガンである「バランサー外交」の演説を書いた張本人だからだ。
 文在寅自身も「米国との関係を重視しながら中国との関係も一層堅固にするバランスのよい外交を目指したい」と発言しており、最近それを実践している。まさに仏壇の奥からはたきをかけて「バランサー外交」を引っ張り出した感が濃厚だ。11月31日に戦域高高度防衛ミサイル(THAAD)導入で極度に悪化した対中関係をようやく修正した。対中合意の柱は①アメリカのミサイル防衛システムに参加しない②日米韓の安全保障協力を軍事同盟に発展させない③THAADの追加配備はしないーであり、中国側の要求をそのまま飲んだような内容だ。ところがその舌の根も乾かぬうちに、トランプと防衛力の強化に向けてミサイル弾頭重量制限を解除することで合意した。原子力潜水艦と先端偵察機能の獲得・開発に向けた協議も直ちに開始することになった。こともあろうに国の安全保障を米中のバランスに利用するのはあきれるばかりである。なお、米国が本当に原潜を売るかどうかは疑問だが、もし売れば対中戦略のみならず日本の防衛にも影響が生ずる。
 米韓会談の内容を見ても、文在寅は一応トランプに対して最大限の制裁と圧力に協力する姿勢を見せた。しかし、その実態は別だ。文在寅のかねてからの主張である「いかなる場合でも朝鮮半島での武力行使は許されない。韓国の事前の了承を得ることなく軍事行動を起こしてはならない」と、トランプ発言は見事なまでに食い違った。トランプは「必要であれば米国と同盟国のために比類なき戦力を投入する。北の独裁者に対してメッセージを伝える」と、軍事行動も辞さない姿勢を鮮明にさせている。「両首脳が朝鮮半島戦略で対立」と書いてもおかしくない会談内容だった。おまけに北に対して世界各国が国連決議に基づく制裁を推進しようとしているときに、文在寅は800万ドルの人道援助を承認した。米国防長官ジェームズ・マティスが、強い懸念を表明、圧力をかけているのはもっともだ。要するに俯瞰すれば、文在寅の安保政策は日米韓の連携よりも、明らかに中国に傾斜し始めている。
 こうした関係についても前述の朝鮮日報は「今、世界で米国の力を最もうまく活用すべき国は日本ではなく韓国だ。まず何よりも北朝鮮の核問題を実際に解決できる国は米国以外にない。また東アジアで厳しい緊張状態が続く中、韓国を覇権欲なしに守ってくれる国も米国だけだ。ところが日米両国は米英関係を思わせるほど最高の親密さをアピールしているのに対し、韓米関係は非常に形式的で儀礼的なものへと変わりつつある。」と嘆いている。文在寅にはこうした国際外交への認識が欠如しており一国の指導者として致命的な欠陥であろう。
 その好例が対日姿勢にも現れた。晩餐会の食卓に竹島でとれるという「独島エビ」を出させ、常に反日宣伝材料として使っている元慰安婦を招いてトランプに抱擁させた。独島エビは、まるで昔のしゅうとめの嫁いびりであり、日本人はあきれこそすれ、いびられたとはいささかも感じないだろう。一方強制連行はなかったというのが常識だが、元売春婦を国際的に重要な晩餐の席にわざわざ招くという前代未聞の対応は、「えげつない」の一言に尽きる。いずれも韓国内への人気取りが見え見えだが、事もあろうに米国大統領の公式晩餐会の席を“活用”して、他国をおとしめなければならないほど自らの人気がないのかと思わざるを得まい。第三国との外交の場で行うことかと言いたい。日本政府が抗議したのは当然だ。
 この2例は日本人の国民感情を逆なでして、一朝有事の際の日本の行動心理に影響を及ぼす。もちろん北の軍事行動が始まれば日本は米国の軍事行動を支援する方向は変わりはないが、危急存亡の時に対韓支援に躊躇(ちゅうちょ)を生じさせるのだ。戦時には手を差し伸べるのが早いか遅いかで、人命の損失度に決定的な差を生ずるのだ。たかがエビと売春婦で韓国の受ける損失は甚大なものになりかねない。そこが分からないのでは文在寅に「哀れでますますいかれた」を意味するルーピーの称号を贈らざるを得まい。ワシントンポスト紙が名付けた「ルーピー鳩山」と同様に「ルーピー文」といわざるを得まい。「ルーピー特賞」を差し上げたいくらいだ。韓国民にとってはこういう指導者の存在はまさに悲劇である。

T君への手紙 ― 「奢れるもの久しからず」

ご要望に応えて<付録>付き再録 Name:浅野勝人 NEW! Date:2017/11/08(水) 09:33 
 
総括 ―  総選挙!
T君への手紙 ― 「奢れるもの久しからず」
(2017/10月5日、安保研ネット掲載。総選挙公示5日前)
安保政策研究会理事長 浅野勝人

T君、総選挙いよいよ10日、公示ですね。
東京都議選で自民党が惨敗した後、お目にかかってお昼に天丼食いながら、「都議選の小池百合子は怖かったが、国政選挙の小池は怖くない」と申し上げた私の見解が当たりそうな気配ですね。

都議選の折、多くのマスコミが世論調査、その他の情勢を分析して、自民党は減っても30議席台と踏んでいたのに、T君ご承知の通り、私は20議席そこそこと予測しました。結果は19議席でみんなびっくり仰天でした。
種明かしをしますと、「都民ファースト」が全員当選すると予測して、民進党も減る。共産党が増える。公明党は現状維持。これを総合して逆算すると自民には20議席位しか残らない。結局、「都民ファースト」で落選したのは1人だけだったので、大当たりしたという仕掛け。

都議選で勝利の女神だった小池百合子が、国政選挙で輝くのは無理と推測した理由(わけ)は、
あの方は、どの選挙も「大統領選挙」と勘違いしている。
だから、小池人気が、全国津々浦々、衆議院小選挙区に行き渡り、特に比例区では圧勝して、都議選の再現となる。総理大臣就任も夢ではないと錯覚してしまう。

自民党内では、外交・安保政策に関して右派の論客だったから、時間の経過とともにその地金が滲(にじ)み出る。そうなると、右派の安倍晋三と同質なことが改めてわかってしまうので、「政権選択選挙」という唯一の訴えが売り物にならない。小池を支える膨大な無党派層が失望して離反する。
その証拠に、党公認に際して民進党リベラル派を除外する表現を「全員公認するつもりはさらさらない」と失言して馬脚を現した。

このひと言は重い。選挙戦を左右する重大なミスショットと予言しておきます。いや、ミスショットではなくて、「本音」を最悪な言葉使いで表現した。有権者は容易に「小池百合子の本音」と見破るから、このひと言で「希望の党」は失速する。非自民の有権者に、「第2自民党」は要らないと映るからです。

つまりは、安倍自民党と対峙することによって人気を倍増するつもりが、まるで補完勢力と映って当初の意図が崩れてしまいました。
だから、出馬の可能性を匂わしていた姿勢から一転して「不出馬」を明言して逃げました。どうやら思惑が外れかねないとみて「私自身は出ないと最初から言っている」と苦し紛れのウソを言わざるを得なくなりました。
与党をめざして「希望の党」を立ち上げた政党の代表・党首が、自身は出馬しない。国会の首班指名を目指さないという人がいたかどうか、憲政史上の事例をどなたか調べて教えて下さい。( 選挙の結果 ― 235人立てて当選50人。当選率20%。惨敗 )

これに比べて、安保法制、憲法9条改正に反対する基本姿勢を堅持して筋を通し、自民党との対決を鮮明にしている「立憲民主党」の候補者と「希望の党」への参加を避けて「無所属」で出馬する前民進党の候補者が、非自民票の受け皿になる可能性が強まります。( 選挙の結果 ― 立憲民主: 55人当選。当選率60%。躍進)(無所属:21人立候補して18人当選、当選率85%)

選挙後の野党再編は、立憲民主党を立ち上げた枝野幸男を軸に小ぶりな勢力からの再出発になると思われますが、候補者を降ろして立憲民主党に選挙協力をした共産党は無視できない存在になります。
現役時代、議員会館の部屋が隣同士だったから褒めるわけではありませんが、小池晃が書記局長になってからの共産党は柔軟でいい。


T君、安倍自民党の不人気は、君の想像をはるかに超えています。私の周りでも、まさかと思う方が「今回は自民党には投票しない」と明言して驚かされます。
T君も当初は肝を冷やしていたでしょうが、小池百合子のおかげで、野党が「馬糞の川流れ」(政治勢力がバラバラになって求心力を失う様子を金丸信らしい表現で言った)となりました。
自民党が、近年、厳しく批判されている傲慢な政治姿勢を反省して、国家、国民の平穏と繁栄に真摯に取り組む姿を示せば、情況は好転。わずかな減ですみそうです。( 選挙の結果―284議席で解散して284人確保。マンガみたい )

二階幹事長は、大軍の将ですから、自信を持ってもっとはっきり発言した方がいい。
「世の中のために政治家が要(い)る。政治家のために世の中があるのではない」(思いあがるな)と明確な小池批判をする。
「国会で戦争法案反対と言っていた人たちが、政党を変わったら賛成という。我が党にとっては有り難いが、有権者の方々がそれを許すだろうか」とはっきり批判して、野党の中では一番強いと予測されている「希望の党」の票を離散させる戦術が重要です。(結果は野党第1党にもなれず)

私は、来週から中国です。11回目になった北京大学での講義。それに北京外国語大学大学院、首都師範大学へ講義にまいります。選挙前に決まっていた日程ですから出かけますが、投票日前には戻ってまいります。
T君、加油! 加油! (2017/10月5日)

(22日、台風の中で総選挙終了)
T君、お互い予測はドンピシャリでしたが、何のためにやった選挙だったのか私には今でも理解不能です。勝つためにやって、小池百合子と前原誠二のミスショットで勝ったから、安倍晋三は結果オーライだったと理解すれば、それでいいのでしょうか。 

莫大なお金とエネルギーを費やして選挙をやって、世の中のために何がどう変わるのか、変わらないのか、何も無い。立憲民主党の当選者54人の内30~40人が前職以外の元職と新人だったというだけで、無所属を含めて各党とも、ほぼ全員選挙前の顔ぶれがそっくり再選されただけのことです。政策も顔ぶれも何も変わらない。野党に「馬糞の川流れ」現象が起きて、日本の政治を退化させただけでした。

T君、自民党は、現状維持をして自・公与党で2/3議席を確保して事実上の大勝利でした。但し、競争相手の票が二分され、比較多数で有利な情況が造られた敵失による勝利に過ぎないことを忘れないでください。
自・公vsオール野党の争いなら、議席はフィフティ・フィフティです。日本の世論は結構バランスが取れています。

それにしても 議会制民主主義、主権在民の根幹を理解していないほどの政治家の劣化。政党助成金をめぐって右往左往するほどの政党政治の退化を招いたのは「落選候補救済制度付き衆議院小選挙区比例代表制」によります。今回改めて証明されました。世界に類のない悪法です。選挙は1票でも負けたら負けです。これでは政治に対する厳しさが生まれません。しめしが付かない。

安倍政権は、ことによったら佐藤栄作政権を越える長期政権になると思われます。
安倍首相のやるべき第1の課題は、実は選挙制度の改正を強行してでもやり遂げることでした。衆議院を定員3人の中選挙区、全国100~120選挙区に改正する。公明党を含めて、賛否が政党によって入り乱れますが、自民党の過半数で押し切ることができる。2/3は要らない。
安定した政治と何よりも有能な新人議員が、選挙ごとに1/4を占めて、もう一度、人々の求める人材が政界に集まります。

安倍首相は、相変わらず憲法改正にご執心のようです。
総選挙後、10代の若者の声を集めた特集の中に、札幌の19才、男子が「憲法改正は戦争につながる恐れがあるので反対だが、(国民投票)過半数で阻止できるから、自民党に投票した。バラバラで頼りにならない野党より、安定した政治勢力を選んだ」(毎日新聞)
この見解は“少数者の意見”だと思わない方がいい。19才の予言通りになったら、安倍長期政権の功績は全て水泡となって消えます。
(2017/10月23日、元内閣官房副長官)


<付録 ― 総選挙アラカルトから一遍>

笹川陽平ブログ

「山尾志桜里」 : 一戦を制して当選― [2017年11月08日(Wed)]

一線を越えたか否かで話題を提供してくれた山尾志桜里氏が、先の衆議員選挙で一戦を制して辛勝した。まずは祝意を表したい。

落語の世界でも、ご隠居さんと長屋の熊さんが、この一線?論争に参加していましたよ。

【熊さん】
「ご隠居!! 最近女性政治家が一線を越えたかどうか、話題になっているそうですが、この一線とは何のことですかねぇ」

【ご隠居】
「ようするに、夫のある身で別の男とホテルに泊まって、一線を越えたかどうかということが問題なのよ」

【熊さん】
「へえ、ホテルの部屋に一線が引いてあるんですか?」

【ご隠居】
「バカだね。そんなものあるわけないじゃないか。二人が重なったかどうかが問題なんだよ」

【熊さん】
「検事まで勤めたエライ政治家でも、そんなことをするんですか?」

【ご隠居】
「人間だからね。魔がさすこともあるさ。しかし、脇が甘いんだよ」

【熊さん】
「週四回も魔がさすんですか。それに脇が甘いんではなくて股が甘いんじゃないの、ご隠居さん!!」

【ご隠居】
「熊さん!! 今日は冴えてるね。確かに股が甘くて一線を越えたんだろうね」

【熊さん】
「一線は確かに越えて、これは二線ですぜぇ」

【ご隠居】
「どういうことだい熊さん、二線目とは?」

【熊さん】
「だって一線目は夫と越えて、浮気相手は二線目ですぜぇ」

【ご隠居】
「熊さん!! あんたはこういう話になると、普段のとんちんかんと違って偉いものだね」

【熊さん】
「へえ、ご隠居さんにほめられると嬉しいね。俺なんぞ吉原通いをしてるからもう30線は越えていますぜぇ」

【ご隠居】
「やっぱり、熊さんはわかってないね」

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。