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◎俳談 

◎俳談
【芭蕉のDNAを継ぐ】
室蘭発直江津航路大銀河 産経俳壇2席
 <荒海や佐渡に横たふ天の川>は人口に膾炙(かいしゃ)した芭蕉の句だ。芭蕉が荒海という日本海を天の川に結びつけた結果、銀河と言えば日本海ということになった。この芭蕉のDNAは現代の俳人に心にもしっかりと植え付けられている。従って日本海と銀河と聞けばプロの俳人は「ぼー」となってしまうのだ。そこを狙って投句すると良く当たる。掲句は日本海航路のフェリーで作った。確かに満天の星空であった。全部漢字にしたのは漢詩の効果を狙った。しかし下手にやると名詞ばかりの3段切れとなってリズムを壊す。掲句の場合「発」の一字で中7以下がスムーズに働いた。懲りずにやったのが
弔問の羽越本線大銀河  月刊俳句入選
新潟と銀河は入選を稼げる。

◎自作自演の「習思想」で権力誇示ー共産党大会

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◎自作自演の「習思想」で権力誇示ー共産党大会
  鄧小平を超え毛沢東と並ぶ姿を演出
 最高指導部に後継者なし
 2期でさらに5年どころではない。習近平は自らの任期を永遠なものとして確立しようとしている。その最大の武器は今回の第19回党大会で決めた「習思想」である。自らを、建国の父である毛沢東の「思想」と同列に高め、改革開放を推進したトウ小平の「理論」を超えた理念を、共産党の憲法である党規約に盛り込むことに成功した。「思想」は「理論」を遙かに上回るのだ。大会は国家主席の指導理念を「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」と、習の名前を冠した形で、党規約の中に盛り込んだのだ。規約に個人名が書かれたのは史上3人目である。中国共産党指導者にとって自らの名前を党規約に盛り込むことは極めて重要な権力誇示となる。しかも、これまでの指導者と比べると異例の早さである。習が掲げる今世紀半ばまでの「社会主義現代化強国」実現に向けた理論的な支えを構築した形だ。もうトウ小平時代は終わって、これからは習時代だということを強く印象ずけるものだ。後継者と目させる人物を最高指導部に入れないのも、超長期政権を目指す姿と映る。
 総じて党大会は中国歴代政権が自粛してきた個人礼賛の傾向を帯び、習は臆面もない自作自演の権力確立を成し遂げて見せた。共産党の事実上の独裁どころか、自らの独裁による政治体制を築き上げたのだ。その証拠が北京の街でも見られた。大会の期間中、北京市内の公園では習近平国家主席をたたえる歌を合唱するグループの姿が見られた。メンバーらが「習おじさん、習おじさん、みんなが愛している習おじさん」とか「習主席は、全国人民とともにある」などといった歌詞の歌を合唱したのだ。禁止されてきた個人崇拝を、紛れもなく“官製”で実践したのだ。市民運動を起こしてまでムードを演出したのだ。
 さらに南シナ海での南沙諸島への人口島建設による軍事拠点化や、習近平就任以来顕著になった東シナ海における領海侵犯などその対外姿勢は、歴代中国皇帝が絶頂期に成し遂げた覇権国家のように、社会主義国家と民主主義国家の対峙の構図を推進するかのようである。この紛れもない富国強兵路線は「中国の発展はいかなる国の脅威にもならない」という習自身の言葉と矛盾し、第二次大戦後欧米と日本が主導した民主主義の国際秩序に社会主義で対抗する姿を浮かび上がらせた。
 習近平がここまで自らの権力の確立に執着した背景には、「トラもハエも叩く」として推進した汚職摘発キャンペーンがある。このキャンペーンは汚職摘発の名を借りた権力基盤の確立が背景にあることは言うまでもない。次官級280人、局長級8600人、地方幹部6万6000人、全国で150万人の摘発・処分は、結果として権力基盤を絶大なものとした。この恨みから「腐敗撲滅の鬼」と呼ばれ、今回最高指導部から退任する王岐山は、これまで27回も暗殺されそうになったといわれる。習近平は、当初王岐山を留任させようと画策したが、長老の反発が予想外に強く、あきらめた形だ。党大会で唯一垣間見えた反習近平の動きと言える。習もあまりに多くの政敵を葬ってきたのであり、引退したら殺害される危険が常に存在する。やめるにやめられない立場となっているとも言えるのだ。
 国家主席の任期は中華人民共和国憲法79条で被選出年齢は45歳以上、任期は2期10年を限度とすると定められている。これ以上延ばすには3つの方法があるとされる。1つは今後2期以上を目指す習近平が多分来年3月の全国人民代表大会で憲法改正を実現しようとするという見方である。2つ目は、憲法解釈で延期する方法もある。憲法83条は「人民代表大会の任期は次の人物を決めるまでやり続ける」とあり、また60条は「非常事態の場合は任期の延長を認める」という規定もある。これらの条文を根拠にするのだ。さらに3つ目は84年にトウ小平が廃止した主席の神格化を復活させる方法である。
 こうして中国の政治は集団指導体制が原則にとどまり、習近平の独裁色が強まり、専制政治や社会に対する抑圧が強まることが懸念される。言論封殺も続くだろう。その最初のケースを毎度のことながらNHKが被った。NHKの放送が習近平への権力集中を伝えた瞬間に暗黒画面となった。
 対米関係は対峙の傾向を強めるだろう。習はさる4月のフロリダでのトランプとの会談で借りてきた猫のような様子を見せた。トランプは華麗で和やかなる晩餐会の最中にトマホーク巡航ミサイル59発をシリアのシャイラート飛行場へと発射してみせたのだ。トランプのアッパーカットを食らって、習は目を回したが、党大会でのすごみ方はその裏返しでもある。またトランプの体たらくで、それほどでもない指導者だと感じた気配がある。
 一方、対日関係についてはウオールストリートジャーナル紙が興味深い社説を掲載した。「日本の民意が示した中国への警告」と題する社説は安倍自民党の総選挙圧勝の意味を説いている。北朝鮮の核・ミサイル実験の横暴に「日本は巡航ミサイルの購入を検討している。また自前の核抑止力を求める可能生もある」と強調。「だから」と続けて「習近平氏が日本の再軍備を望まないのであれば金正恩への食料と石油を遮断することも出来る。さもなければ北東アジアの勢力地図は中国が望まないようにシフトするだろう」と日本を使ってどう喝したのだ。中国と北の出方によってはまんざらあり得ないことでもない。習近平は内弁慶で国内ばかりを見て、「資本主義現代化強国」の日米同盟があることを忘れない方がよい。