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◎俳談

 ◎俳壇
【月見草】
海を見て決まりし墓地や月見草 東京俳壇入選
 友人にもらった月見草が咲いた。7日午後6時半つぼみがふくれているので咲くなと直感して、急いでカメラを用意すると数秒後開花を始めた。わずか2分間で満開となった。月見草といえば夢二に
有名な失恋の歌がある。
待てど暮らせど来ぬ人を 
宵待草のやるせなさ 
今宵は月も出ぬさうな  
太宰治も『富嶽百景』で「富士には月見草がよく似合ふ」と述べている。花を詠むときは賛美してはならない。既に読者が賛美しているからである。他の事象や感情と2物衝撃的に対峙させると成功する。
月見草逢魔が時に咲きにけり 杉の子
 翌日の朝は花が赤っぽくなり、午後にはしぼんだ。

◎動き出した「極東冷戦」長期化の構図


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◎動き出した「極東冷戦」長期化の構図
  トランプ“対北封じ込め”を推進
 安倍も「対話ではなく圧力」を強調
  トランプの国連演説をどう読み解くかに世界中が躍起になっている。米国内でも大まかに言えば「軍事力行使も含めて北の体制変革を追求するもの」と「核保有国として北を封じ込めるもの」に二分されている。しかし筆者はこの二者択一ではなく、「核保有国としての北朝鮮を封じ込め、金正恩体制の崩壊を追及する」という形で“連動”したものだと思う。注目すべきはトランプ発言のこの部分だ。「今こそ全ての国が結束して金正恩政権を孤立化させ敵対行為をやめさせるときだ」 。この発言が意味するところは事態が北朝鮮を封じ込め、陰に陽に支援する中露をけん制する広義の「極東冷戦」 の構図に入ったことを意味する。短期間で終わるか東西冷戦並みに半世紀近くも続くかは不明だが、トランプ発言からは長期対峙の構図が透けて見える。こうした方針を裏付けるかのように首相・安倍晋三は国連演説で「必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調した。
 多くのマスコミがトランプ発言をとらえて、軍事的な行動の可能性の側面だけを強調しているが、必ずしもそうではあるまい。発言の核心である「アメリカは偉大な強さと忍耐がある。だが自国や同盟国を守らざるを得ない状況に追い込まれたならば、北朝鮮を完全に壊滅させる意外に選択肢はない」 を読み解けば、ちゃんと前提がある。「状況に追い込まれたら」の部分である。状況に追い込まれなければどうするかは言及しておらず、まだ状況に追い込まれていないと解釈できる。国務省のナウアート報道官はトランプ発言について「国際社会が力を合わせて北朝鮮に圧力をかけることが重要ということをはっきり示したかった」 と解説している。
 この「国際社会が一致して圧力をかける」の意味は、明らかに封じ込め戦略である。戦後米国が取った独裁国家に対する封じ込め戦略は大小様々なものがあるが、最大のものは半世紀弱にわたってソ連に対して実行された東西冷戦である。1946年に始まった冷戦は最終的には1991年のゴルバチョフ辞任によるソ連邦崩壊で終わった。ワシントンでも対北封じ込めの長期戦略を唱える声が増大している。なぜなら戦略的に対北軍事行動はソウル、日本という“人質”が存在しており、金正恩による破れかぶれの報復を考えれば、事実上成り立たないからだ。トランプ発言の「壊滅」とは、金正恩本人、核施設、全てのミサイル施設、全てのソウルに向けられた長距離砲を対象としたものであり、国民を含めたものではない。国防総省はそれが可能な作戦を組み立ててはいるようだが、危険が伴うこの種の軍事的オプションは最後の最後の選択とならざるを得ないのだ。
 ウオールストリートジャーナルは封じ込め戦略について「高価で恐ろしい状況だが、朝鮮半島で戦争が起きるほど恐ろしくない」とワシントンの本音を述べている。同紙は封じ込め戦略について「外交的手段で北朝鮮の核プログラムを廃棄させることができなければ、米国やその同盟国は核保有国の北朝鮮を封じ込める長期的な戦略に目を向けることになろう。そうなれば、ミサイル防衛システムのための支出は大幅に増加し、米国のアジアにおける軍事プレゼンスは拡大し、日韓の軍備は増強され、おそらく米国の戦術核の韓国への再配備が行われるだろう」と書いている。安倍は国連演説の中で「北朝鮮にすべての核・弾道ミサイル計画を完全で検証可能かつ不可逆的な方法で放棄させなければならない。そのために必要なのは対話ではない。圧力だ」と強調したのは、このトランプ路線と同期するものであろう。
 米国は既にこの封じ込め戦略を世界的な規模で実行に移しており、その効果が生じ始めている。韓国東亜日報によると米国は、北朝鮮が5回目の核実験を強行した昨年9月以降、高官クラスが世界各国を回り、安保理決議とは別に北朝鮮との外交関係を格下げするか断絶する追加措置を取るよう要請してきた。これを受けて スペイン政府が18日、自国に駐在する北朝鮮大使に30日までに出国するよう命じた。メキシコ、ペルー、クウェートに続き4番目の北朝鮮大使の追放だ。またペルーやクウェート、イタリア、ブルガリア、南アフリカ共和国などは、自国内の北朝鮮外交官の数を大幅に削減した。外交関係において大使の追放は断交の次に強力な措置であり、北朝鮮の核実験に対する最も強力な警告と抗議を含んでいる。これまでに米国の「外交封鎖」政策に呼応して、北朝鮮の大使を追放したり外交官の数を減らしたりした国は約10ヵ国にのぼる。アンゴラ、ベトナム、エジプトなど過去に北朝鮮と友好的だった国も、最近では国連の北朝鮮に対する制裁決議履行の報告書を提出するなど積極的に応じている。北朝鮮の3大貿易国であるフィリピンもさる8日、北朝鮮との貿易を中止すると宣言した。
 こうした対北包囲網はロケットマンに対してボディーブローのように利くものとみられるが、問題は貿易の90%を占める中国をどうするかだ。トランプの国連発言はその意味で北と同時に中国を強くけん制するものでもある。トランプは金融面からの締め付けを今後一層強化する方向だし、対中貿易にも大きく踏み込むものとみられる。ロシアとの貿易も大きく増えており、中露の説得がカギとなっている。こうしてトランプ発言は中露も巻き込んだ極東冷戦の構図を一層濃くしてゆきそうだ。ただし極東冷戦の構図は中国が北を“支援”する限り、実効を上げにくい。米ソ冷戦でも度々あったように一触即発の危機がないとは言えない。冷戦戦略の成否は全て中国にかかっていると言っても過言ではない。

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