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◎俳壇

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【外来語対古語】
片蔭のデジャビュの辻を曲がりけり     朝日俳壇選一席
   フランス語のデジャビュとは未体験の事柄であるはずが、過去にどこかで体験したことがあるかのような感覚を覚えること。日本語の既視感である。大学生への調査では72%が経験があると答えた。訪れた経験のない浅草のある曲がり角をどうしても過去に見た気がして作った。片蔭は夏の季語で、夏は影を選んで歩くことから派生した。この句のポイントはデジャビュウという洒落た外来語に「辻」という古い余韻のある言葉を合わせたこと。「角」では絶対に入選しなかったであろう。

◎日本核武装をめぐってWHが分裂状態

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◎日本核武装をめぐってWHが分裂状態
  トランプは推進論、全上級顧問が現状維持
 WSJ紙が論文掲載
 既報の「日本の核武装に道を開く北朝鮮の核容認」と題する社説を書いた米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が、再び著名学者による日本の核武装に関する論文を5日掲載した。論文は、日本の核保有をめぐってホワイトハウス内部の意見が割れ、大統領トランプ自身については日本の核保有を「米外交政策にとって敗北ではなく勝利とみなす可能性がある」と報じている。北朝鮮の核とミサイル実験は米政権中枢の見解の分裂を招き「狂っているとされる金正恩政権が米国を窮地に追い込むことに成功している」と分析している。
 論文の筆者は、ウォルター・ラッセル・ミード。ハーマン・カーンが創設したハドソン研究所フェローでバード大学教授。同論文はまず「金正恩氏は米国内の意見の深い分裂を露呈させ、米政府が近く判断を余儀なくされる可能性のある厳しい選択肢を浮き彫りにしている。」としてトランプ政権が日本の核保有をめぐって判断を迫られていると現状を分析。次いで「北朝鮮の好戦的態度や核兵器開発計画は、日本を独自の核兵器保有に向かわせているというのが観測筋の長年の理解だ。世界には日本ほど核兵器保有に近い位置にいる非核保有国は他にない。日本が核武装を決断すれば、核兵器を保有するまでにわずか数カ月しかかからないと多くのアナリストはみている。」として日本核保有の可能性に言及。「その後は情勢が混とんとする中で、韓国や台湾も日本に追随する公算が大きく、少なくとも台湾は日本からひそかに支援を受けるだろう」と韓国台湾の追随を予測している。さらに核武装をめぐる日本国内の論議について「日本のエリートの意見は核武装という選択肢を支持する方向に目に見えて傾いている。保守派のナショナリストたちは、日本は核武装によって第二次大戦後の対米依存状態からようやく解放され、独立した大国としての地位に返り咲くと長年信じている。日本の世論は核武装に極めて懐疑的ではあるが、北朝鮮の脅威とミサイルの上空通過に加え、米国のコミットメントと信頼性に対する疑念の高まりを受け、これまで考えられなかった選択肢を考える人が増えている」と分析している。
  注目すべきはホワイトハウス内がこの日本の核武装について分裂状態にあると指摘していることだ。ホワイトハウスの全上級顧問は「太平洋地域で現状を維持することが米国の利益にとって最善だと信じている」としながら「トランプ大統領を含むであろう他の人々は、東アジア諸国の核保有を、米外交政策にとって敗北ではなく勝利とみなす可能性がある。日本や韓国、そして場合によっては台湾にも核を保有させれば、中国の地政学上の野心を封じ込められるからだ。そうなれば米国は韓国から軍隊を撤退させ、防衛費を削減できる一方で、同盟諸国に中国封じ込めの費用を負担させることができる。」と分裂を指摘した。
 そして核コミットの現状を維持をした場合の東アジアへの関与について論文は「米国は太平洋地域の対中防衛費の大半を負担し、北朝鮮などの敵対国との戦争のリスクを抱え込むことになる。また、雇用破壊の一因とされる韓国などからの安価な製品の輸入を促すという“賄賂”を贈らなければならなくなる。この選択肢はトランプ氏の「米国第一主義」を支持する有権者にとっては、あまり魅力的には見えない」 とコメントしている。一方米国が撤退した場合について「東アジアで脇役に回ることは、米国にとって第二次大戦後の戦略的思考と決別することも意味する。米国は持続可能なコストで平和を維持してきた。この長年の戦略を米国の世論が支持するかは、もはや分からない。トランプ氏の考えを支持する共和党議員もバーニー・サンダース上院議員をはじめとする一部民主党議員も、こうした視点で考えているようには見えない」 と世論や議会が変化しつつあることを強調している。さらに米国が撤退した場合東アジアは「平和的な発展よりも軍拡競争と軍事的対立を招く公算が大きい。中国が南シナ海で抱く野心は日本が依存する貿易ルートの安全保障を脅かす。また、北朝鮮が爆弾の性能強化とそれを飛ばす大陸間横断ミサイル(ICBM)の開発をやめることは決してないだろう。」 と予想している。
  そして「北朝鮮危機は極めて望ましくない2つの選択肢を米国に突きつけている。1つは70年にわたる国家戦略を放棄し、アジアの不安定化を促すリスクがある。もう1つは卑劣で無節操な敵と醜く危険な戦争に陥るリスクがある。トランプ政権は容易な逃げ道のない戦略的ジレンマに陥っている。」 と二者択一の厳しい現状を指摘している。 こうした日本核武装論は日本の論議にもこだまする可能性を秘めている。既に自民党内では石破茂が非核三原則について6日、「持たず、つくらず、持ち込ませず、議論もせずということで本当にいいのか」と指摘したうえで、「アメリカの核の傘で守ってもらうと言っておきながら、日本国内に、それは置きませんというのは本当に正しい議論か。感情的には持ち込ませないほうがいいに決まっているし、国民が反発するのはわかるが、抑止力として十分か、ちゃんと考えないといけない」と述べ、アメリカ軍が核兵器を日本国内に持ち込むことの是非を議論すべきだという考えを示した。しかし日本自体の核武装については否定している。
  非核三原則は佐藤内閣が決定して以来、日本の“国是”となっているが、いまや崩壊の兆しが生じている。今後臨時国会や自民党総裁選挙にむけて、議論が活発化するものとみられる。

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