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◎俳談

◎俳談
北塞(ふさ)ぐことは浅間が見えぬこと 東京俳壇入選
 「北塞ぐ」季節となった。北塞ぐとは冬に北側の窓を塞ぐことをいう。「北窓塞ぐ」とも言う。去年の夏浅間山の南にある友人の別荘に滞在した。北の窓を開けると雄大な浅間が眼前にそびえて、素晴らしい風景であった。その北の窓も今頃は閉めて、くぎ付けしていることだろう。都会の住宅でも冬は北窓は閉じて、鎧戸を下ろす。拙宅も春まで締めっぱなしだ。
妙齢の北窓閉めてしまひけり 産経俳壇入選
 この句は、学生時代の通学路でときどき美人が窓から顔を見せていた邸宅が、雨戸を閉めっぱなしになってしまった落胆ぶりを表現した。片山由美子の句に
こころにも北窓のあり塞ぐべし
がある。俳句は季語と心を通わすことが何よりも必要である。今回の例句はすべて単なる観察句ではなく、心が通っていると思う。季語に心情を絡める。これが作句のこつだ。
春には「 北窓開く」という季語がある。