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◎俳談

◎俳談
【句会に棲む魔物】
 俳句は「座の文学」であり、句会と共に発展してきた。句会では作者名の定かでない句を、投票で決めるから、極めて公平である。しかしそのレベルはピンからキリまである。ある句会で最下位だった俳句が、他の句会で最上位というケースはしょっちゅうある。ある句会で最下位だった俳句が、新聞俳壇でトップというケースもある。句会には魔物が棲むのだ。いくら自分がいいと思う句を作っても、高い点数を取れないケースがほとんどだ。思い込みがあるのに加えて、句会の空気が左右する。しかし概して句会で上位にいく俳句は、意外性があり、明るく、前向きな句が多い。陰うつで考え込んだような句は採用されにくい。句会ではマイナス思考よりプラス思考が勝つ。従って句会で高得点の句が必ずしも秀句とは言えない。なぜなら選句時間が短く、じっくり判断するひまがないからだ。上位入選を目指すにはこうした句会ごとに異なる雰囲気を考慮して、その句会のレベルにあった俳句を出句することだが、これが難しい。150歳くらいにならないと名人の域には達さない。しかし年寄りの健康に句会が良いのは、闘争心をいつまでも保てることだ。人間多かれ少なかれ闘争心をなくしたら、棺桶が近いと思った方がいい。

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