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◎俳談

 ◎俳談
【ちゃきちゃきの江戸っ子】
ちやきちやきの鬼灯市の啖呵かな 杉の子
 夏に浅草の浅草寺の四万六千日、別名鬼灯(ほおずき)市に行た。ピーカンの35度だったが賑わっていた。七月九、十日の両日、境内に立つ。子供の虫封じ、女の癪(しやく)に効くとして鉢植えの鬼灯を売る。十日の観世音菩薩の結縁日に参詣すると、四万六千日分に相当する功徳を授かるといわれる。江戸っ子の看板娘たちが妍を競って売っているのに気をとられて、拝んでくるのを忘れた。からかうと瞬時に言葉が返ってくる。小気味よいちゃきちゃきの江戸っ子娘だ。筆者は通常その場では俳句は作らないが、今回はすぐ出来た。
花街の昼は鬼灯鳴らすかな 杉の子
もう死語になったが遊郭の吉原や玉の井は「居続け」といって、1週間や10日も遊び続けてかえらぬ客がいたという。残念ながら物心ついたころには赤線は廃止されていた。掲句は居続けの永井荷風であったらこんな句を作ったであろうとして想像して作った。

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