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アンダードッグ効果が懸念材料

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◎アンダードッグ効果が懸念材料ー衆院選あれこれ
  民放テレビの「禅譲説」に慌てた岸田
 「時事放談」が放送法すれすれの不公平報道
 総選挙も佳境に入ると“敗者復活”を目指して与太情報が乱れ飛び、各党幹部もあの手この手の“秘術”を尽くして舌戦を展開するから面白い。
 与太情報の最たるものはなんと民放番組から飛び出した。フジテレビの報道2001で去る7月にに「安倍政権の支持率が下がったことで、全国の悪いやつらが喜んでいる」と発言した解説委員平井文夫が、またまたびっくり発言。今度は政調会長岸田文雄に「自民党が予想通りに勝てば安倍首相は岸田さんに禅譲するとの説が流れている」と爆弾質問。これにはさすがの岸田もオタオタして「安倍総裁の下で選挙戦を戦っている。安倍総裁の下で今の顔ぶれで政権を支えてゆくことで選挙を戦っている」と全面否定。「安倍総裁の下で」を2度も繰り返した慌て方は見物であったが、想定外の質問であった。選挙に圧勝しようとする首相が、事もあろうに選挙後に岸田に禅譲するだろうか。100%ない。来年9月の安倍総裁3選がますます濃厚になっているなかで、民放とはいえ放送のレベルが問われる発言であった。
 驚いたのが希望の党代表の小池百合子が大阪弁の応援演説をやったことだ。もともと兵庫県芦屋市生まれだから、流ちょうなものだが、どこか違和感を感ずるのはなぜだろうか。別に大阪弁の演説が悪いなどというつもりは更々ないし、大阪弁は大阪勤務で好きになった。しかし、党首の演説である。NHKの全国放送で放映されたから、東京や東北や九州の各県の有権者は違和感を覚える者も多いだろう。大阪の友人が電話してきて、「票欲しさが鼻につく。見え見えだ」と批判していた。たしかに小池は東北では東北弁で応援するのかと思いたくなる。貧すれば鈍するの破れかぶれの姿勢が垣間見えるのである。標準語の演説でも安倍に比べると具体性と“深味”を感じさせない。知識の浅さをより際立たせる小池戦略であった。
 概して民放の番組をつぶさに分析すれば、TBSなどが放送法すれすれの自民党批判を繰り返している。その象徴的な例がTBSの時事放談だ。大体この種の番組は公平を期するため自民党側と反自民を並べてしゃべらせるのが常だが、15日の時事放談では新党さきがけ代表だった武村正義と元民主党政調会長の仙谷由人という札付きの反自民人間にまくし立てさせた。司会の御厨貴は例によって中立を装いながらけしかけた。問題は自民党と希望の党を散々批判した上で、選挙の投票行為に触れて仙谷が「5年後10年後の日本を、日本人を考えて投票すべきだ」と強調したことだ。武村も負けじと「これまでの政治をだらだらと続けるのか変えようとするのか」と同調した。あきらかに有権者を野党の投票へとけしかけ、誘導する発言である。公職選挙法は新聞雑誌に関しては選挙の公正を害すれば二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に当たるとしているが、テレビ番組には規定がない。しかし、ひどいものは放送法による免許停止が可能だ。自民党は14年に①出演者の発言回数や時間に公平を期していただきたい②ゲスト出演者の選定についても中立公平を期していただきたい③テーマについても特定の出演者への意見が集中しないよう中立公正を期していただきたいーなどの要望書をテレビ各社に出している。放送法の免停を考慮した上でのことだ。そんなことは知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいる。
 ここにきて自公で300議席以上の流れが確実視され、安倍政権続投の方向が固まっているが、問題は「アンダードッグ効果」だ。直訳すると「負け犬効果」となるが「負け犬への同情効果」とすれば分かりやすい。負けそうな党や候補者への同情票が情勢を変える恐れがあるのだ。この効果は選挙で世論調査が実施されるようになった米国で戦後に指摘されたものだ。日本における顕著な例は森喜朗が2000年6月の衆院選挙での演説で、自民党優勢を伝える各報道機関の世論調査を評して「まだ決めていないとか関心がないとかいうのが40%くらいあり、これは大変大きい数字なんです。そのまま有権者が関心がない、と言って寝てしまってくれれば、それでいいんですけれども、そうはいかんでしょうね」などと発言した。この挑発発言が一挙に情勢を覆した。「自民が安定多数うかがう」と分析していた新聞の予想に反して、解散前271議席を233議席にまで減らしてしまったのだ。危ないケースも散見されはじめた。自民党幹事長二階俊博が14日大阪での街頭演説で、ヤジに反応してしまい「分かったから黙っておれ」と発言した。幸いにも新聞は大きく報じていないが、「黙れ」は軍部が議会を脅迫した戦前の「黙れ事件」を思わせる。二階は寡黙なくせに、ときどき舌禍間際の発言をする。終盤に向けて何が飛び出すか分からない寸前暗黒の事態を物語る。自民党は兜の緒を締めなおす必要がある。