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◎虚飾の「小池劇場」を切る

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◎虚飾の「小池劇場」を切る
  口から出任せの政策欠如
 “究極の野合”に追い込まれた前原
 小泉純一郎直伝の「小池劇場」の幕が上がった。焦点は小池の人気が都知事選、都議選なみに継続するかだが、紛れもなく小池は「都民ファースト」の公約を裏切って国政に走った。都民がいくら衆愚でも三度だまされるかということだ。少なくとも知事選で小池が290万票獲得したムードはない。ばかな民放トーク番組のコメンテーターらも持ち上げてばかりはいない。さすがに支持不支持が割れる傾向にある。東京ですらそうだから、全国規模ではもっと厳しい傾向を示すだろう。一方で民進が雪崩のように離党者が続出して、代表になったばかりの前原誠司が党運営を投げ出した。事実上の民進党瓦解である。前原は「1対1の戦いにするためには何でもありだ」と臆面もなく「究極の野合」路線を選んだが、党内からは「党を売る行為」との批判が噴出している。首相・安倍晋三は今日解散するが、直感では自公政権は継続するだろう。国民は早く極東情勢がどうなっているかに気付き、女賭博師の甘言に踊らされてはならない。
 マイナス1×マイナス1は1になるが、2にはならないのだ。逆に1-1はゼロでもある。新党と旧党の「野合」というのは過去の例から見ても曲折の経過をたどって最後には瓦解する。新自由クラブはもちろん日本新党や新政党の末路を見れば明白だ。大衆迎合路線というのはそういうものだ。今朝の朝刊の朝日新聞の世論調査によると政党支持率は自民32%なのに対して希望13%で、一定数は確保しそうだがブームというのにはほど遠い。毎日の調査でも投票先は「希望の党」が18%で、自民党の29%に次いで多いが、ブームとは言えない。多くの有権者は見るところを見ているのだ。苦肉の策とはいえ、民進党議員は本当に党籍を維持して希望の党から出馬するのだろうか。有権者にしてみれば希望の党と思って投票するが本当は民進党員だったという、狐の七変化にだまされるのだろうか。民進党県連によっては独自の動きが生じている。熊本県連は共産党候補に一本化しようとしており、地方県連の思惑は必ずしも中央とは同じではない。県連によっては「地域政党を作っても戦う」という動きが出ている。
 それにつけても小泉は悪い。仮にも自民党から選ばれた首相経験者が「雌ダヌキが化けた」(自民党幹部)ような女をけしかけて、党や首相に後ろ足で砂をかけるような動きをした。小池に「原発ゼロ」 と「消費税先送り」という“究極のポピュリズム”の入れ知恵したのは小泉だ。とりわけ原発ゼロについて小泉は「原発ゼロが焦点になれば希望の党はかなり議席を伸ばす」 と語るに落ちた発言をしている。小池は飛びついたが、東京都は全国一の電力消費地であり、ゼロにして東京への安定的な電力供給が途絶えてもいいのか。小泉は小泉劇場の“快感”が忘れられず、小池をけしかけて小池劇場を開幕させようとしているが、仮にも首相だった者が75歳にもなって“老醜”をさらけだしてどうするのだ。もう枯れた方が世のためだ。
 そもそも小池は二足のわらじをはく能力があるのか。二足のわらじは大阪府知事の松井一郎が既にはいているが、地方都市に毛が生えたような大阪と東京では規模が桁外れに違う。おりから2020年のオリンピックが控えているし、豊洲移転問題は就任後1年たっても結論が出ぬままだ。小池は「都政を前に進めるためには国政も変える必要がある」と述べたが、豊洲問題一つかたづけられないで、まるでそれを国政のせいにするのか。だいいち国政選挙で政党の指揮をする者が都政だけを考えて、他の道府県の問題は捨てておくのか。
 小池は安全保障に関しても認識のなさを暴露している。「国の国防政策をリセットしなければ安全を守れない」 と発言したが、たった2か月でも防衛相を経験した者の発言だろうか。国の安全は安倍が狂った北朝鮮の指導者に対して日米に韓国も加えて万全の態勢を築いている。「安全を守れない」などと思いつきの、はったり発言をして国民を惑わしてはいけない。小池はスローガンが選挙公約だと思っているフシがあり、安倍は党首討論で徹底的にその矛盾を突くべきだろう。小池に甘い顔を見せてはならない。戦うべき時だ。
 小池の新党は姥捨山ではなく“爺捨て山” の色彩を濃くしていたが、民進瓦解で雪崩を打って人数だけは集まる方向となった。小池にしてみれば一人800万円の供託金を持参して出馬してくれるのだから、旧社会党左派のような左翼議員以外は受け入れるのだろう。まさに政策などそっちのけのいい加減さは「野合の駆け込み寺」と呼ぶのにふさわしい。民進党議員は供託金800万円持参でやってくるから、小池にとっては鴨が葱下げてくるようなものだ。
 場当たりの極致は特別国会での首相指名選挙で公明党代表・山口那津男の名前を挙げたことだ。山口は一瞬「恐縮している」とまんざらでもない表情であったが、はっと気付いたか「都知事の職責は重い。国政との二足のわらじで務まるほど生やさしくない。懸念している」 と突っぱねた。山口を「支持する」と言えば都議会公明党をなだめられると思ったのか。場当たりの思いつきの極みで甘い。
 こうしてしっちゃかめっちゃかの小池劇場が幕開けとなったが、有権者、とりわけ浮動層には高学歴な者も多いはずだ。小池を是とするか非とするかを、真剣に考えることが今ほど必要なときはない。

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