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◎俳談

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秋ともし木村伊兵衛の写真集
 木村伊兵衛と言えばライカだ。ライカを使って数々の名スナップを撮影している。とりわけ戦争直後の写真によいものが多い。昔はライカ1台で家が買えるほどの値段であった。戦後は安くなったがとても手が出ないと思っていたら特派員でニューヨークに行くことになった。ニューヨークではライカが安く70年代のカネで2、3万円で中古のライカM2などが買えた。新品のM4で10万円くらいだった。M5まで使ったが、使っている内に故障はするわ、レンズが突然はずれて落下するわで仕事には使えないことが分かった。それでも昭和天皇の訪米の写真を撮って、役には立った。
 その後カメラはデジタル化して、一眼全盛期となったがライカはレンジファインダーのまま。値段は高くてボディーだけで100万はする。それでいて写る写真はニコンやキャノンより見劣りがする。撮像素子がソニー製だから、売りはレンズだけだが、それもニコンの58㍉、F1.4などライカを大きく上回る描写力のレンズが出てはいよいよ存在価値が問われる。結局プロがプロの象徴として所有するか、銭が余ってしょうがない趣味人が所有するだけのカメラとなっている。言ってみれば女性のルイビトンのようにブランド性で生き延びようとしているとしか思えない。

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