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◎俳談

◎俳談
【三段切れは避ける】 
 初心者は例えば<隅田川曳舟の来る月見草>といった句をよく作る。これを三段切れの句という。切れが2カ所に入るからだ。<隅田川/曳舟の来る/月見草>といった具合に切れて相互の単語が全く響き合わない。とりわけ上五と下五に名詞が来ると、より一層ごつごつした句になる。一句が三つの部分に分かれたままの句になってしまう。俳句は普通、切れを1カ所で治めるのが素直だ。ところが名人が作ると三段切れでも名句となる。
目には青葉/山ほとゝぎす/はつ松魚(がつお) 山口素堂
がそれである。青葉、ほとゝぎす、松魚の三つの名詞が見事に響き合っている。こうした句は十万句に一句もないから、初心者がまねをしようとしても無駄だ。筆者の新聞入選句をいくら探しても三段切れは出て来ない。恐らく無意識で投句しても、選者が即座にはねのけて採用しないからであろう。
芭蕉にも名句がある
梅/若菜/まりこの宿のとろゝ汁 芭蕉
まりこの宿は東海道の宿場、鞠子宿のこと。とろろ汁が名物であった。

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