◎俳談
◎俳談
【打座即刻の重視】
俳句は「その瞬間」を詠む詩である。したがって過去形は極めて少ない。たとえ過去を詠んでも過去形にはならない。
◆翡翠の一直線なり一途なり 杉の子
見たのは以前であっても現在形である。この作詩形式を石田波郷は打座即刻の詩(うた)と形容した。ぽんと膝を打つ瞬間であるというのだ。
◆白魚の四つ手に跳ねて発光す 東京俳壇入選
四つ手が上がったその瞬間を詠んだ。
五七五が最短詩に昇華するには、常識と時の流れを切断しなければならない。切断して今現在という、目の前にある間一髪の現象を捉える。芭蕉の言に寄れば「間を入れぬ」判断である。
◆古池や蛙飛び込む水の音
にも
◆閑けさや岩にしみいる蝉の声
にも打座即刻の妙が詠われている。
「間を入れぬ」判断とは、ひらめきと直感であろう。眼がものを見て、脳に伝え、その瞬間詩情が働く。働かなければ働くように訓練する。これが作句のポイントである。
◆その刹那初蝶鵯(ひよ)を躱しけり 杉の子
【打座即刻の重視】
俳句は「その瞬間」を詠む詩である。したがって過去形は極めて少ない。たとえ過去を詠んでも過去形にはならない。
◆翡翠の一直線なり一途なり 杉の子
見たのは以前であっても現在形である。この作詩形式を石田波郷は打座即刻の詩(うた)と形容した。ぽんと膝を打つ瞬間であるというのだ。
◆白魚の四つ手に跳ねて発光す 東京俳壇入選
四つ手が上がったその瞬間を詠んだ。
五七五が最短詩に昇華するには、常識と時の流れを切断しなければならない。切断して今現在という、目の前にある間一髪の現象を捉える。芭蕉の言に寄れば「間を入れぬ」判断である。
◆古池や蛙飛び込む水の音
にも
◆閑けさや岩にしみいる蝉の声
にも打座即刻の妙が詠われている。
「間を入れぬ」判断とは、ひらめきと直感であろう。眼がものを見て、脳に伝え、その瞬間詩情が働く。働かなければ働くように訓練する。これが作句のポイントである。
◆その刹那初蝶鵯(ひよ)を躱しけり 杉の子
2016-01-15 05:50