◎俳談
【感性の俳句】
◆紫陽花の葉より雨音始れり 杉の子
いよいよ梅雨の入りだ。普通の人には長くてうっとうしい梅雨だが俳人には季節の変化はありがたい。やはり四季の変化のある国でないと俳句は無理だ。サウジでは出来ない。梅雨入りはざーっとこない。ぽつりぽつりだ。先日時間で計ったら、雨が肌に当たるのは約5分おきだった。
◆梅雨の入り雨滴のぽつりぽつりかな 杉の子
そして本降りが長く続く。
◆梅雨の湖(うみ)静かに川を溯る 毎日俳壇3席
琵琶湖の水が小川をさかのぼるのを見た。季節の変化を感性で捉えることが句作のポイントだ。紫陽花の青こそ日本の青だ。