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◎軽減税率は「新聞」を外し「食品限定」で実施せよ

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◎軽減税率は「新聞」を外し「食品限定」で実施せよ
  マスコミの甘えを認めるべきでない
 読売新聞の消費税に関する社説のトーンが変わったからどうもおかしいと思っていたら、会長の渡辺恒雄が来年4月の引き上げに反対なのだそうだ。読売と言えば昨年8月の3党合意による消費税法成立に向けて旗振り役の先頭を切っていたのだが、なぜだろうか。その理由は来年4月の8%への引き上げに際して、新聞への軽減税率が適用されないからだという。永田町には大手新聞が消費税推進で“団結”した背景には財務省との間で、米、味噌、しょうゆの3品目と並んで新聞も軽減税率の対象にするという“密約”があったからだといううわさが流れ始めている。大震災の被災地ですら「反対できない」と悲壮な覚悟を固めている消費増税だ。マスコミは本来なら率先して協力すべきところではないのか。
 新聞の消費増税への態度は「賛成だが自らへの課税に反対」というまさに唯我独尊的態度である。今回の消費増税に関しては、朝日の会長・秋山耿太郎が社長時代の2012年6月に「新聞購読料に対する消費税率をこれ以上引き上げるのは、民主社会の健全な発展を損なう懸念がある。国民の活字離れが一段と進むような方向での知識課税は望ましくない」と軽減税率の適用をあからさまに求めて、ひんしゅくをかったのが始まりだ。最近に至っては読売新聞グループ本社社長・白石興二郎(新聞協会会長)が「欧米先進国は新聞や出版物に軽減税率を導入して、容易に廉価に情報が国民の手に行き渡る制度を担保している。軽減税率は国民の文化的知的水準を維持向上させるために必要だ」と、軽減税率を新聞に導入して、消費税を現行5%にとどめるよう主張している。朝日と読売は連携して、新聞協会を軸に軽減税率導入へとリードしている形だ。
 これに対し政界の反応は、新聞首脳の要望にはすぐに胡麻を擦る如く反応する公明党が前向き対応をし始めているが、自民党はさすがに毅然(きぜん)としている。税調会長・野田毅は来年8%段階での導入には応じない方針であり、10%段階での導入についても「やるとは言っていない。目指して勉強するだけだ」としている。それはそうだろう。政府の消費税点検会合では被災地である福島県相馬市市長の立谷秀清ですら「被災地といえども、反対できない」と述べているのだ。新聞がかつてこぞって主張したように将来世代にツケを回さないためにも今増税するしかないというのが良識ある国民の判断なのだ。これをおろそかにしては遠山の金四郎ではないが御政道が成り立たない。
 ところが読売の紙面作りがここに来て急旋回の様相である。去る13
日付社説では「2.6%成長 消費増税に耐えられる体力か」と銘打って、「消費増税によって景気が腰折れし、デフレ脱却のチャンスを逃しては元も子もない。日本経済が消費増税に耐えられる体力を回復しているかどうか、難しい見極めが求められよう」と、4月増税には反対ともとれる意志表示だ。これまでと180度トーンが変わった。政界からこぞって批判されている内閣官房参与・浜田宏一による点検会合での「先送り論」についても、2面3段で「浜田氏『消費税先送りを』」と仰々しく報じた。他紙はほとんど無視している。傑作なのは新潟粟島浦村議会による新聞の軽減税率を求める請願書や意見書採択まで報じていることだ。何でこんなものが決まったのか背景は知るよしもないが、たかが「村議会」の話を全国紙が報ずることか。
 こうした読売の姿勢はナベツネ御大の意向が反映されているのだ。昔の記者仲間である読売の幹部筋からちゃんと耳に入ってくる。「うちのボスは軽減税率が4月に実現しない限り反対だと言っている」というのだ。老いたりとはいえ、まだまだ読売グループでは泣く子も黙る存在であることを物語っているわけだ。社長・白石は30日の点検会議に新聞協会長として出席して見解を述べるが、恐らくナベツネの意向を忖度(そんたく)した発言となるに違いない。どうも首相・安倍晋三ですらナベツネの意向に左右されているフシが見られる。首相たるものマスコミと時には対峙しなければならない。国民大多数の利益を最優先すべきであるからだ。 
 そもそもマスコミは何様だと思っているのだろうか。中小企業やサラリーマンや年金受給者が泣く泣く支払う消費税を、「知識課税は望ましくない」などという屁理屈をこねて、自分だけ免れようとして恥ずかしくないのか。知的課税を言うなら、いまやパソコンや携帯などの通信料金への課税の方が問題となる状況であることを知るべきだ。我が国国民の新聞への信頼度は極めて高いものがあるが、その新聞が自らの矜持(きょうじ)を忘れているではないか。消費税は新聞料金に堂々と反映すればよい。政府・自民党は軽減税率を新聞が勝手に作った「コメ、みそ、しょうゆ、新聞」から「新聞」を外して、食料品に限定して実施に移すべきだ。


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