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俳談

◎俳談
【秋の空】
インカより届く絵はがき秋の空 産経俳壇入選
 当俳談は季節の到来より常に一歩先んじて書いている。なぜかと言えば俳人は次の季節を今の季節のわずかな変化から読み取るものであるからだ。それに新聞俳壇は採用・掲載が投句の時点より一か月は遅れるケースが多い。従って季節を先取りして作る方が採られやすいのだ。例えば掲句も今頃出して、ちょうど秋の空になったころ採ってもらえた。これが投句の“秘伝”の一つでもある。
 秋の空の代表が鰯雲だ。秋の空を眺めるときはなぜか哀しいときが多い。それか遠い過去を思い出すようなときだ。逆に秋の雲を見ると哀しくなったり、昔を思い出すのかもしれない。従って句作もそれを素直に反映すればよい。
つらいねとかける電話や鰯雲 日経俳壇入選
慰めの電話をかける行為と鰯雲を響かせた。
鰯雲昭和の少年靴磨く 東京俳壇入選
靴を磨く昭和の少年と言えば、終戦直後の上野の地下道の靴磨きが思い浮かぶ。その遙かなる思い出を鰯雲に合わせた。

インカより.jpg


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