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◎水面下でささやかれる野田・小沢激突回避の動き

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◎水面下でささやかれる野田・小沢激突回避の動き
 民主党内に垣間見える“変化”をどうとらえるかだ。副総理・岡田克也ら野田サイドにも元代表・小沢一郎の側にも微妙なニュアンスの変化が生じているのだ。これは間違いなく裏で接触が続いていることを物語るとしか思えない。消費税増税法案の閣議決定を目前にしてそのまま激突の流れか、一転して首相・野田佳彦と小沢の間にに妥協が成立するのか、永田町は固唾をのんで見守っている。
 まず野田サイドの変化だが、1日に自民党総裁・谷垣禎一との極秘会談が公になって4,5日間は対小沢攻勢に出た。野田は話し合い解散を排除せず、また岡田も3日にはここを先途(ど)とばかりに「消費税が上がる前に総選挙がある。私たちがやっていることが間違いなら選挙で示してもらえば結構だ」と話し合い解散路線を突っ走る構えを見せた。ところが6日の党常任幹事会で「民主党を分裂させようとする自民党の思惑に振り回されてはいけない。首相は(消費増税関連法案の)閣議決定前に代表経験者と会うべきだ」などとする意見が強く出され、幹事長・輿石東が「よく考える」と応じてから、変化が生じ始めた。まず岡田が動いた。元首相・鳩山由紀夫との会談で、鳩山から「経済の好転など前提条件をいかに書き込むかだ」という景気配慮の弾力条項をより明確に取り入れれば条件闘争に応ずるとも言える発言を引き出したのだ。
 岡田は急速に変わった。何と推進してきた小沢の怒りの急所ともいえる話し合い解散路線を否定し始めたのだ。「今、解散すると国民の怒りは既存政党に向かう」「話し合い解散は非常に難しい。国民からは何か談合していると受け取られる」と全面否定に回ったのだ。加えて岡田は弾力条項についても11日のテレビで「ストッパ条項を入れる。経済の状況を見て消費増税をやらないこともあり得ることにする」と述べた。明らかに小沢サイドへの“秋波”というよりもっと強い“すり寄り”に他ならない。
 一方小沢発言にも微妙な変化が見られる。極秘会談が公になった直後は怒りもあらわに吠えまくっていた。「話し合い解散など出来っこない」「消費税など絶対反対だ。君らも反対せよ」とグループの議員らにけしかけていた。野田が閣議決定をするなら、政務3役を辞任させ、倒閣に動くことで対抗する構えも見せていた。ところが10日に変化を見せた。千葉市で党所属議員のパーティーに出席し、「超高齢化社会の中で消費税の議論を否定するわけではない」と軟化の兆しとも受け取れる発言をしたのだ。加えて小沢は「税と社会保障の一体改革と銘打っているが、増税だけで社会保障は影も形もみえない」とも述べた。これは社会保障でより具体的な対策を打ち出すように促したと受け取れる。
 この背景には恐らくキーマン輿石が野田と小沢の間に立って“うごめいて”いることの左証ではないだろうか。同党幹部は「輿石さんが潜行している」と漏らしているという。両者の置かれた立場を分析すれば、野田は谷垣との極秘会談で「話し合い解散」カードを入手したことになる。これを背景に小沢グループへの「小沢切り」圧力をちらつかせて、譲歩を求める戦術を展開しているのだ。小沢サイドにしてみれば消費税で目の色が変わった野田のことだから本当に「小沢切り」に動きかねないという恐怖感が出てきた。「話し合い解散回避」に向けて、消費税法案のワーディングで面目が立てば譲歩もやむを得ないという立場だろう。その力関係のバランスの上で輿石が動いているのだろう。
 もともと大綱には「名目・実質成長率、物価動向など種々の経済指標を確認し、経済状況などを総合的に勘案したうえで、税率引き上げの停止を含めて所与の措置を講じる規定を法案に盛り込む」との弾力条項があり、小沢サイドはこれをより鮮明化することを求めているようだ。これに対して財務相・安住淳は11日のテレビで「リーマンショックとか東日本大震災などが発生した場合にのみ先送りとする」と述べ、ハードルを高く設定しており、折り合うかどうかが焦点だろう。小沢との間で妥協が成立する見通しについて岡田は10日のテレビで「可能性はある。世論とか野党の状況いかんだ」「小沢さんは消費税絶対反対とは言っていない。折り合う余地は残している」と述べて、小沢が賛成に転ずる可能性を否定していない。まだ野田・小沢会談が実現するか、民主党内の消費増税法案事前審査手続きの過程まで調整が続くかも不明だ。ぎりぎりの裏舞台でのせめぎ合いがここ数日継続する。決裂か妥協かはまだ即断できない。


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