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◎全国紙は「消費税で共同宣言」の渡辺提言に同調せよ

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◎全国紙は「消費税で共同宣言」の渡辺提言に同調せよ
 何と28日付の朝日新聞で読売会長・主筆渡辺恒雄の、矍鑠(かくしゃく)たるインタビューを読んで、いつもながら波長が全く同期しているのに気づいた。「清武の乱」が主要テーマだが、こんな話は雑魚が鯨に噛みついているようなものでどうでもいい。太筆書きの政論が絶妙なのだ。「野田佳彦首相はいいんじゃないかな。うちの社論に80%近い感じがする。正直だし、やる気がある」「若手なら小泉進次郎君がいいね。中堅では林芳正君や石破茂君もいい 」など全く筆者と同じだ。自民党幹事長・石原伸晃や総裁・谷垣禎一は名前すら出してもらえなかった。「政治が劣化し小型化している」もその通り。大阪市長・橋下徹如きに振り回されているのを見ればよく分かる。
 白眉は経済危機へのとらえ方だ。「このままだと、1929年の世界恐慌の比じゃない。経済パニックになるかもしれない。僕は朝日や毎日など他の新聞も巻き込んで、新聞社が一緒になって共同提言をするべきだと思う」と、60年安保の時の「七社共同宣言」と同様の提言を唱えたのだ。60年安保は左翼の革命思想と結びついて、デモがちまたに溢れ、新聞はこれを煽り、革命寸前まで行った感があった。新聞の「流血事件は、その事の依ってきたる所以を別として、議会主義を危機に陥れる痛恨事であった。いかなる政治的難局に立とうと、暴力を用いて事を運ばんとすることは断じて許されるべきではない」とする七社宣言で、潮が引くように収まった。そして渡辺は小沢の名前こそ挙げなかったが「政局にとらわれている場合じゃない。政争を1年休戦して、経済政策を片っ端から法律にする。TPPも、税と社会保障も片付ける。災害復興もどんどんやる。がれきがいまだに片付かないなんて、こんなばかなことがあるか。国家じゃないよ。それらをまともにやろうと思えば、まず消費税を上げること。ここは、朝日新聞と一致しているんじゃないかな」と消費税増税で政治休戦の宣言を提唱したのだ。
 ライバル紙を使ってナベツネ節の言わんとするところは、「清武」問題ごときではなく、まさにここだったのだ。折からナベツネの褒めた野田が消費税で突っ張り始めた。29日、消費税の税率や引き上げ時期をできるだけ具体的に記した大綱を、年内をめどに取りまとめるよう、近く指示する考えを示した。これは小沢の主張とは真っ向から対立する。消費税解散でグループ消滅を危惧する小沢は「強行すれば政権運営が不安定になり、党運営も厳しくなる。野党に攻撃の種も与える」と相変わらずの独善的な発言を繰り返している。なんとオオカミ老年・亀井静香とまでわざと会談してみせて「新党やるぞ」とばかりにすごんでいる。政治家は今こそ己を捨てるときなのに全く分かっていないで、また政局だ。
 これに野田周辺はまともに乗せられて理念も何もない先延ばし論が出始めた。こういうときに小沢に秋波を送って妥協しようとするかしないかで政治家の大小が決まるが、「小」を露呈したのが財務相・安住淳、国家戦略相・古川元久、幹事長代行・樽床伸二だ。一番大事なポジションの安住が「国会が風雲急を告げてくると、年内といかなくなる事情もある」と逃げ出した。古川も「年内にここまで決まっていなければいけない、というものが具体的にあるわけではない」。樽床が「政府の考え方を尊重するが、党の結束と両立しないといけない」と言った具合だ。このままでは、野田の消費増税路線そのものが危ういと感じていたが、野田はここにきて踏みとどまった。国会答弁で「まもなく政府・与党の改革本部を設け、改めて方向性を提示したい。すでに社会保障については、政府・民主党内で議論が進んでいるが、税についても年内をめどに具体化し、今年度中に法案を提出する運びで考えている。大綱の内容には、なるべく具体的なものを入れ込んでいきたい」と路線に変わりがないことを明言したのだ。
 野田は消費増税に失敗したら鳩山由紀夫、菅直人の両食言首相と全く同じことになると気づいているのであろう。そのぶれない姿勢があるからナベツネも評価するのだろう。今日の党首討論でもこの方針は明確にするだろう。小沢がかっとなって何をするか分からないが、ここまできたらガチンコ勝負も辞さない覚悟とみた。消費増税はまだとっかかりだ。ここでぶれたら一挙に政権基盤が液状化現象に突入する。消費税が出来ないとみれば海外のハゲタカ共が日本売りを浴びせかけることは目に見えている。ナベツネの言うようにここは各全国紙も野田を応援して「共同宣言」を出すべきだ。朝日の社長はどうした。自らの紙面で提唱されているのだゾ。毎日、日経、産経、東京も消費増税では異存ないはずだ。一番の頃合いを見計らって経済危機克服と消費増税と政治休戦の宣言を出せ。それにつけても渡辺は骨太で最後の言論人だ。長生きしてもらいたい。


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