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◎橋下は「市政」を固めてから「国政」に物を言え

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◎橋下は「市政」を固めてから「国政」に物を言え
 内容も実現性も不明の「大阪都」構想なるものを国に突きつけて、「年内にやらなければ衆院選候補を擁立する」という。新大阪市長・橋下徹が国政の脇腹にドスを突きつけた形だ。反対の立場を取ってきたはずの民主、自民両党も毅然(きぜん)と反応するどころか、「おたおた」として、世論や利害得失を計算し始めている。官房長官・藤村修にいたっては、自分の選挙を意識してか“すり寄り”姿勢まで見せ始めた。しかし、「市長さんよ冗談ではない」と言いたい。国に性急な期限を切る前に、自分の頭のハエを追うのが先ではないか。都構想自体が自治体レベルをクリヤしていないでないか。市議会の議決など問題は山積しており、それを無視してまず先に国の対応を求める。これではだだっ子市長だ。
 まるで総選挙で政権を握った鳩山由紀夫そっくりでもある。“民意、民意”と夏の蝉のように鳴き続けて外交・内政をろう断して、侮蔑と共に去った。そっくりな閣僚もいた。厚生官僚を真っ向から批判して厚労相となり、官僚から拍手ゼロで迎えられて、ほとんど何も出来ずに寂しく去った長妻昭だ。橋下の場合はもっと厳しい反応を受けるだろう。当選早々「政治に介入したり民意を無視した職員には去ってもらう」と、早くも市職員に対して人事権を振りかざして全面戦争を仕掛けている。目が据わった顔つきや発言ぶりから見るとまるでヒットラーだ。これでは真の政治は出来ない。
 そもそも大阪都構想なるものが、府と市を再編して2重行政を避けること以外に何か内容があったかということだ。橋下は小泉純一郎の「郵政改革」と酷似したワンフレーズ・ポリティックで選挙を行い、勝利をおさめたが、具体論がない。政令指定都市である大阪市・堺市と大阪市周辺の市を廃止して20もの特別区を作ると言う。大阪市内だけでも11の特別区をつくって区議会も設置する。明らかに膨大な財源が必要となるがどこから出すのか。2重行政どころか「財源多重行政」にならないか。区割り自体もどうするのか。大阪と堺とは文化も伝統も違う。水と油の側面があり融合できるのか。
 ハードルは枚挙にいとまがない。まず大阪市議会だ。維新の会は過半数がなく、他の政党は全党が都構想に反対している。橋下は議会が反対なら得意の「民意作戦」で、議会を解散するという。しかし解散するには有権者の3分の1の署名と、その後の住民投票で過半数を獲得しなければならない。筆者は選挙での「民意」は都構想だけに選択基準を合わせたとは思えない。なぜなら橋下が上記の区割りや財政問題などの具体論に踏み込まず、焦点をあえてぼかしたからだ。しかし2重行政が大阪の発展を阻害しているという主張には有権者が飛びついたのだろう。既成政党への批判票もあったに違いない。したがって都構想の内容が区割りを含めて明示された上での住民投票で過半数を得られるかは疑わしい。そしてその後の市議会選挙で過半数を取れるかどうかはもっと可能性が少ないのではないか。ビールのコマーシャルのように最初のうまさは持続しないのだ。また議会を解散しなくても都構想の実施には住民投票が必要だ。
 橋下は自らこうした問題を処理したうえで、国に法改正を求めるのが本筋ではないのか。国の立場からすれば生煮えの都構想なるものを、みんなの党のようにあやかろうとして「はいはいそうですか」と受け入れられるわけがないではないか。今や政令指定都市は19に達しており、愛知県でも「中京都構想」なるものが存在する。大阪だけ認めれば全国で安易な「疑似都構想」が走り出して収拾がつかなくなる。それでも衆院選に維新の会を近畿圏で擁立するというならやるがよい。確かに藤村をはじめ幹事長代行・樽床伸二、国会対策委員長・平野博文ら大阪府内選出議員はあえない最期を遂げるかも知れないが、国政を左右できる議席数確保は無理だろう。橋下の言う「70議席」などは夢のまた夢だ。そのミニ政党でどうやって大阪都実現のための地方自治法改正案などを通せるのか。
 民主党内は「地方分権の目指す方向と逆行する」とする反対論が強く、自民党も父親・石原慎太郎の影響下にある幹事長・石原伸晃が賛成しているほかは、慎重論が根強い。要するに選挙勝利の高揚感で、橋下はおごっているのだ。一週間休みを取ると言うが、頭を冷やせと言いたい。国政は一市長が振り回せるほど安易ではない。2重行政は府と市のトップを維新の会が占めたのだから、今こそ連携を密接にして解消へと動くべきではないか。まずその手腕が問われなければなるまい。出来るかどうか分からない派手な構想を振りかざして市政を停滞させる前に、維新の会の“実行力”で2重行政解消を実現するのが先決だ。それにしても全国紙は危うい「橋下政治」に発行部数を気にしてか、警鐘を鳴らさないのは問題だ。


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