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◎菅退陣は遅かれ早かれ避けられまい:ケーススタディー

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◎菅退陣は遅かれ早かれ避けられまい:ケーススタディー
 「これが目に入らぬか」と“大震災印籠”でまかり通ってきた首相・菅直人だが、政界は「もう目に入らぬ」となった。むしろ大震災前より「辞めよ」コーラスが高まり、明らかに菅は「死に体」に陥ろうとしている。しかし首相官邸の主というものは、周りからの「よいしょ」が災いして「俺がいなくなったら大変」と思い込む習性がある。逃げる菅と追い込む与野党。ここはケーススタディーをする必要があるが、いずれにしても「退陣」は時間の問題ではないか。
 小沢の檄文がきっかけとなり、また菅の「20年間住めない」発言が拍車を掛け、与野党の退陣要求は高まる一方だ。自民、公明両党党首の退陣要求に加えて、大震災による「政治とカネ」の麻痺症状もあって小沢一郎の“発言権”も出てきた。みんなの党は公然と参院への首相問責決議上程を唱え、衆院でも与野党で不信任決議の可決が可能ではないかと取りざたされている。社民党や参院議長まで退陣論である。白眉は元財務相・伊吹文明の「菅内閣そのものが大災害」発言。筆者の「菅が国難」をコピーした可能性があるが、まあいいだろう。これはどう見ても菅が四面楚歌に置かれた形だが、辞めさせるのはそう簡単ではない。
 当面は連休を軸の攻防が予想される。連休まで実質10日しかなく、当面菅は「連休逃げ込み」作戦を展開するだろう。「菅降ろし」派は大きなネックがあって戦いにくい。何が何でも早期成立が必要な第1次大震災対策補正予算案があるからだ。仮設住宅、道路、港湾復旧の財源など緊急対策が盛り込まれており、これを遅延させる政党は“国賊”扱いされかねない。従って連休前に不信任決議も問責決議も可決させることはほぼ不可能だ。連休前に退陣の可能性があるのは菅が自らの置かれた立場を悟って、自発的に政権を投げ出すケースだ。22日に予定されている統一地方選挙後半戦の大敗も確実視されているが、それでも菅を辞任させることは難しいとみなければなるまい。
 連休明けは実質5月9日からだが、この間いつものように海外旅行する政治家はよほどの馬鹿でない限りいまい。国難をさておいて旅行三昧でもないからだ。従って大半が選挙区に帰省するが、国民の菅批判を直接聞くことになる。一般代議士は選挙区で決意を固めて連休明けに上京するが、主要政治家は連休中の“根回し”が水面下で行われよう。過去にも「三木降ろし」のように連休明けに“謀略”が急浮上するケースが多かった。政治記者は休みを取ってはおれまい。連休後は第1次補正が処理されていなければこれを処理して「政変」モードに入る。
 焦点は与野党で不信任案可決の流れが出るか、それとも野党だけで問責決議を上程するかだが、不信任が可決されれば総辞職か解散となる。しかし大震災の現状は総選挙を不可能にしている。震災地域はとても選挙準備などしていられないのだ。従って不信任案可決の場合の菅の選択肢は総辞職しかあるまい。小沢が党分裂覚悟で不信任に同調するかどうかだが、小沢自身は菅が辞めなければ乗る可能性が高いだろう。野党だけで可決できる問責決議は、退陣への法的拘束力がないから、菅が居座ることができないわけではないが、一院から存在を否定されて政権を維持できるものではない。結局は辞任に追い込まれる。
 こうした動きは「後継」を誰にするかも密接に絡んでくる。小沢が「憲政の常道で谷垣」と漏らしているのが本気なら、大連立の実現だが、民主党が分裂しないと無理だろう。小沢にその覚悟があるかどうかだ。民主党内で後継を決めるとなれば、まず幹事長・岡田克也の目はなくなった。統一地方選挙の責任を問われている幹事長が後継になることなどあり得ない。本命は前外相・前原誠司だが、いささか線が細い。大震災対策の荒事をこなせるかどうか疑問だ。ダークホースは前官房長官・仙谷由人だが、これも官房長官時代の国会答弁を見れば分かるように“弁舌上”の欠陥がある。いくら何でも刑事被告人の小沢が首相になることは無理だ。
 問題は第2次補正や大震災関連法案など緊急課題が山積しており、国会の延長が不可避であることだ。従って「菅降ろし」グループは、連休明けに一挙に事を運ばないとずるずる政権が7~8月まで続いてしまうことになる。菅は新年早々のインターネット番組で「過去の首相が辞めた原因が何となく分かる。気持ちがなえるんです」と、思わず弱音を漏らしたが、連休前でも直後でも国家のためには「早くなえてくれ」と言いたいのだ。


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