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◎「イラ菅」封じて「逃げ菅」に徹す:予算委論戦

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◎「イラ菅」封じて「逃げ菅」に徹す:予算委論戦
 予算委員会の野党質問で国会が本格論戦の火蓋を切った。質疑を聞いて、ひたすら「事態の政局化」を恐れる首相・菅直人の追い込まれた姿が鮮明となった。小沢一郎の国会招致では打って変わって「逃げの一手」に徹し、解散では怒気を含んだ声で否定する。「与謝野問題」だけは開き直ったが、総じて受け身の姿を露呈した。産経新聞は自民党の追求を「ゆるい」と表現したが、見方が浅い。自民党の狙いは「冒頭は責任野党」を印象づけ、じわじわと政権を追い込み、予算関連法案の処理など急所で一挙に「攻撃野党」に変身する高等作戦とみた。
 一番目立ったのは「逃げ菅」姿勢だ。新年早々「出処進退を」と小沢に議員辞職を迫った威勢の良さはどこえやら。小沢招致問題では「国会で与野党協議を」と繰り返し、「いつまでにどうするとは言えぬ」と逃げた。逆に小沢の政権への影響については「一つの山を越えつつある」と「おやっ」と思わせる答弁をした。答弁に矛盾があるのだ。小沢の影響があるから「逃げ菅」なのではないか。事実小沢の侍従のような参院議員会長・輿石東から、「衆院で3分の2を確保出来なくなる」との脅しが政権に入ったと言われ、それを恐れての「腰砕け」に違いない。確かに数人の造反で菅は窮地に陥るのだ。小沢の力が裏で作用した上での「逃げ」であり、「二重権力構造になっていない」と言う菅の答弁は単に“期待値”を述べたにすぎない。毎日新聞によると折から小沢は側近らと会合し「2011年度予算関連法案がどうなるか分からず、何があってもおかしくない。(菅首相が)信を問う場面が出てくるかもしれない」とすごんでいる。小沢の読みも「菅は袋小路に入った」なのであろう。
 野党席から一転閣僚席に座った経済財政相・与謝野馨は、風邪を引いたのかマスクをして、肩にはふけが雪のように積もっていた。野党時代に「平成の脱税王」と首相・鳩山由紀夫を追求した凛とした面影はない。閣僚の誰もふけを払うように忠告してやらないところが異様で、閣内に置かれた孤独な立場を物語った。自民党から議員バッジを外せと迫られて「有権者への責任がある」と答えたが、有権者が比例区で自民党に投じたから、当選したことを忘れている。有権者を裏切ったのは自分の方なのだ。菅は与謝野を「社会保障と税制改革は国民的課題であり、それにふさわしい方に取り組んでもらうのは最大の大義」とかばったが、自民党の稲田朋美から「政治は信なくば立たず。正しい政策でも正しい人が行わなければ成り立たない」と急所をつかれて、たじたじだった。
 総じて7時間の答弁で菅は「イラ菅」ぶりを抑制していたが、解散問題を聞かれる度に「この段階で解散をして何が生産的なのか」など、なぜかムキになって、しかも大声で否定した。菅のボディランゲージを分析すると、大声を出すのは「怖い」からにすぎない。小沢が「いま選挙やったら民主党は100人くらいしか生き残れない」と予言しているとおり、解散・総選挙の意味するものは自ら首相の座を明け渡すことを意味するからだ。論戦の幕開けはさすがに菅政権側も万全の準備をして取りかかっただけに、大きな隙を見せなかったが、問題は持続性だ。予算委には魔物が住んでいるのだ。
【朝刊トップ10秒勝負】
★朝日
エジプト100万人行進
★毎日
力士八百長メール 十両数人星を売買
★読売
「反ムバラク」100万人デモ
★産経
エジプト全土100万人デモ
★日経
極なき時代マネー漂流 


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