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◎検察は鳩山兄弟の“とん走”を見逃すのか

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◎検察は鳩山兄弟の“とん走”を見逃すのか     杉浦正章
 鳩山兄弟には毎月サンタクロースが来るらしい。母親が秘書を通じてそっと事務所にカネを1500万円置いて行く。だから兄の首相・鳩山由起夫は「驚いた」、弟の鳩山邦夫は「寝耳に水」と“びっくりした真似”をする。それにしても骨肉の争いは極まれりということだろうか。ことがばれるやいなや弟邦夫が、贈与税として修正申告の方針を表明、兄の対応を「犯罪行為」と決めつける。脱税と申告漏れは紙一重と言われるが、兄弟共に「脱税の犯罪行為」から逃げ出すために懸命の日々であり、筆者が2日に予想したとおり「申告漏れ」で贈与を認める流れになってきた。検察が「脱税」を見逃せば甘いと言うしかない。
 最初、邦夫の発言を聞いたとき、兄への助け船かなと思った。贈与とみなされれば修正申告をして贈与税を支払うというという「方式」は昔から政治家が脱税逃れでとってきた対応だからである。しかし一般庶民の家とことなり、大資産家の旧家には特別の親子、兄弟関係があるに違いない。その発言から知る限り骨肉の争いとしか言いようがない。邦夫の発言をたどれば既に7月から「国会にはハトが2羽飛んでいる。黒いハトと白いハトだと言われるが私が白いハトの鳩山邦夫だ。兄は相当黒いハトになった」と批判している。加えて8日の発言は「親子の貸し借りなどという論理は、国民の常識としては通用しない」と由起夫の秘書が「母親からの貸付金」としていることをまさに“突き崩した”のである。加えて「私が兄と違うのは、『新声会』(資金管理団体)の政治 資金収支報告書に虚偽記載という犯罪行為がないことだ」と由起夫の処置を犯罪行為と決めつけた。
 邦夫の“戦略”は、自らを「修正申告ー納税」で逃げ切ると共に兄をまさに蹴落とそうとしている形となっている。これをチャンスとみたか、事前に打ち合わせがあったか、自民党政調会長・石破茂は邦夫発言について「同志である鳩山邦夫さんがきちんと明らかにされた。総理の非を正して行くものだ」と述べている。明らかに“助け船”などという甘いものではない。しかし結果として自らを救うために兄をも救うことになってきているのは確かだ。
 由起夫もこれを奇貨としたか「私も法に照らして適正に処理したい。そのような判断になれば、そうする」と述べた。参院本会議答弁と同じだ。その時に筆者は「明らかに『脱税』を『申告漏れ』で逃れようとしているのが、首相・鳩山由紀夫の戦略だ」と予想したが、その方向がますます鮮明になってきたことになる。核心であるのは11億ずつ22億のカネが兄弟に渡った事実だ。これから目をそらしてはなるまい。民放テレビ司会者は「ゼネコンからもらったわけではない」(古館伊知郎 )と首相をかばう風潮があるが、自民党政権だったら口を極めて批判しているだろう。どう見ても兄弟共に相続税または贈与税回避のための、政治資金団体を経由した母親の資金移転、つまり「脱税」であると思えるからだ。兄弟共にその疑いが濃厚である。そして「知らない」と秘書のせいにしようとしている。邦夫は言えば言うほど“目くそ鼻くそ”のドグマに陥ることを知るべきだ。兄弟の母親が2003年から~08年の6年間に、自己名義の銀行口座から計約36億円を引き出し、現金化していた意味がようやく分かってきた。現金の移動なら法の目をくぐりやすい。東京地検特捜部は現金化された資金が、鳩山兄弟の政治資金に充てられた可能性もあるとみて、調べているという。首相であろうと自民党議員であろうと、法の正義は執行されなければなるまい。由起夫の秘書は「故人献金」の虚偽記載で政治資金規正法違反は免れまいが、もっと大きな「脱税」という巨悪を検察は見逃すのか。古来、納税は兵役とともに国民最大の義務だった。その根幹が崩れかねない。首相が税を逃れれば国民も逃れる。


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