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◎“てんぐ3兄弟”で波乱含み:臨時国会

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◎“てんぐ3兄弟”で波乱含み:臨時国会
 鳩山政権には比較的好意的であった日経新聞が「頭脳なき初航海で日本経済の難局を乗り切れるのか」と痛烈に鳩山政権を批判した。共同通信社の世論調査でも鳩山内閣の支持率が10・2ポイントも下落した。ようやく政権の実態が国民レベルにも分かってきたようである。確かに何でも切り返して説明責任を果たさない首相発言に加えて閣僚発言も迷走の極みだ。しかも有力閣僚が「迷走」から「増長へ」と“変化”し始めている。鳩山の本会議答弁での“唯我独尊”に加えて、外相・岡田克也の「天皇おことば発言」、副総理兼国家戦略担当相・菅直人の「霞が関大ばか発言」、金融・郵政改革担当相・亀井静香の自分を国連常任理事国に例えた発言など、発足早々で増長も極まった感がある。この“てんぐ3兄弟”に、ピントのずれた円高誘導発言の財務相・藤井裕久が加わって役者はそろった。2日午後の衆院予算委員会野党質問は下手な芝居より面白い。
 菅発言は、時事通信によると「知恵、頭を使ってない。霞が関なんて成績が良かっただけで大ばかだ」というもの。よくぞ言ったり。これでイラ菅の閣内で置かれた立場まで鮮明に分かる。まず情報が上がっていない。だから国家戦略室がいまだに機能しないわけだ。菅が厚生大臣時代は、大臣室から怒鳴り声がしょっちゅう漏れていたと言われる。要するに官僚などは押さえ込んで使うものだという基本姿勢があり、内閣の脱官僚方針の急先鋒であることが分かる。脱官僚なら官僚側も当然“脱イラ菅”となる。嫌われているからますますいら立つ。押さえ込んでも面従腹背。ひょっとしたら自分は東京工業大学卒業とあって、「成績が良かった」東大卒の官僚にコンプレックスがあり、その裏返しかもしれない。すぐいら立って、人とは眼を合わさず、眼を伏せたまま対面する。これでは国の政治を担う次期首相候補にはクエスチョンマークがつかざるを得まい。
 亀井発言も増長がここまで来たかというものだ。時事によると「わたしは今、国連安保理の(常任)理事国の立場にいる。わたしがノーと言ったらおしまい」と胸を張った。自分を国連常任理事国に例え、拒否権発動の力を誇示するとは、まさに誇大妄想、病膏肓の段階に入った。「今度の国会は亀井さんのために開いたと言われる」とも付け加えた。昔、ハナ肇主演の「馬鹿が戦車でやってくる」という映画があったが、まさに亀井が戦車でやってきた。それも衆院3、参院5議席の超ミニ政党が、旧日本軍の張り子の戦車を走らせて、巨大政党を引きずり回している。鳩山はリーダーシップを発揮できず、優柔不断で、亀井に押しまくられている。亀井は日本経団連会長・御手洗冨士夫に向かって、「日本で家族間の殺人事件が増えているのは大企業が日本型経営を捨てて、人間を人間として扱わなくなったからだ」と述べ、その責任を感じるべきだと詰め寄ったが、まさにエキセントリックを地でゆく“いちゃもん”閣僚だ。金融モラトリアム発言も対日信用度を著しく低下させた。小沢が参院で過半数をとって連立を解消したい気持ちが分かる。
 岡田の閣僚懇談会における「陛下の思いが少しは入ったおことばをいただくような工夫ができないものか、考えてもらいたい」にも驚かされた。陛下のおことばを考えよとは、憲法上の天皇の立場すら理解していない。だいいちおことばは閣議決定事項である。天皇が恣意的に語り始めたら、国政はどうなる。国の政治の基本すらも分かっていない。さすがに鳩山も「コメントすべきでなかった」と批判した。首相が閣僚発言を否定する第1号となった。このような発言をする精神状況が不可解になる。普天間基地の移転問題も、既に不可能がが証明済みの嘉手納統合に固執して、“原理主義者”の面目躍如たるところを見せている。いったんは6日に内定した日米外相会談も、日本側の都合で7時間後にキャンセルするなど、外交上考えられない不祥事も続いている。小泉内閣の閣僚の国民年金未納が相次いで発覚した際、菅が“未納三兄弟”と名ずけて流行語となったが、この暴言3閣僚は“てんぐ3兄弟”と言う名がふさわしい。


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