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◎「小沢院政」で二重権力構造へ:民主党政権

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 塩爺こと塩川正十郎が「院政になる」と予言している。あの民主党前代表・小沢一郎による院政である。確かにそうだ。私もそう思う。今展開している“小沢チルドレン”作りがその証拠である。今回の総選挙で民主党が政権に達するにはチルドレンの大量当選が不可欠であり、流れはその方向にある。事実上の「小沢派」の拡大であり、その力を背景に、党内政治を左右することになるだろう。「民主党政権」は、平家滅亡まで続いたあの「院政時代」になるかもしれない。
 とにかく小沢の刺客擁立はすさまじい。元首相・小泉純一郎のやった方式を逆手に取った全くの“猿まね”ではあるが、憶面もなくやっている。福田康夫、森喜朗、太田昭宏、久間章生などこれはと思う政治家に次々と“くのいち”を刺客に立て続けている。おおむね「美人で知性的で何も知らない」候補だ。順風満帆の追い風の時は誰を立てても当選する最近の小選挙区制の“定理”を実戦しているのである。与党候補らは普段なら、はなも引っ掛けない泡沫(ほうまつ)候補に、脇腹にドスを突きつけられたような恐怖感を覚えているに違いない。今更、有権者の意識の低さなどを言っても始まらない。二番煎じはもう良いなどと言う風潮でもなさそうである。有権者は面白がっている。
 その小沢主導で決まったチルドレンの当選が最大で140議席にも達すると同党幹部は予測しており、それを操れるのが小沢だ。小沢をどう処遇するかだが、“お坊ちゃま首相・鳩山由紀夫”は恐らく小沢をコントロールできまい。内閣に置いても党に置いても前門の虎にもなるし後門の狼にもなる。しかし内閣に置いた場合すぐに始まる西松事件の裁判で内閣は連日マスコミの批判に曝される。鳩山も気楽な野党党首時代のように、小沢をかばってはいられなくなる。だいいち自らの政治資金虚偽申告問題も決着がついていない状況下である。とても入閣はさせられまい。入閣すれば事実上の副総理とマスコミは書く。総理と副総理がそろって政治資金疑惑では発足早々から政権はぐらつく。
 したがって鳩山は小沢を党に置いておくに違いない。小沢は喜んで民主党を“貰い受ける”ことになる。マニフェストによれば民主党は100人もの政治家を政府内に送り込む。まさか何も知らないチルドレンを送り込むわけにも行くまい。一応経験者でなければ役にたたない。加えて国会の主要委員会の委員長などに主要な政治家は取られる。党内はいくら民主党が過半数取っても空き城同様となり、小沢が“城代”などでなく“城主”となる。内閣と党の“二重権力体制”はこうして生まれることになるだろう。二重権力体制になったら政権はどうなるか。既に内在する給油中止問題など安保問題での党内食い違いが、政務実行段階に入って顕在化することなどは序の口だろう。いずれにせよ「民主党政権」ができれば小沢問題が台風の眼である。

 ◎月に1度の俳句自慢
7月は8句入選した。上位入選が多く充実した。
毎日俳壇堀口星眠選1席
切れ味のよきゾリンゲン緑さす
堀口星眠評ー子供の頃、外国人がゾリンゲン制の髭剃りと説明して売っていた風景を思い出す。
自解=ドイツ・ゾリンゲン地方は日本の関と同じ刃物の名産地。昔土産に買った羅紗ばさみの切れ味のよいこと。親父の髭剃りもゾリンゲン。ゾリンゲンという言葉を星眠先生がかってくれたに違いない。季語も「緑さす」と離したが、朝の髭剃りの感じが出ていると思う。
 毎日俳壇に二句入選した。一句は2席。
毎日俳壇西村和子選2席
航跡の一直線の涼しさよ
選者評=「涼し」の一語には体感ばかりでなく心理的な潔さなども含まれる。美意識も感じられる。
自解=フェリーに乗った実感
60毎日俳壇堀口星眠選
笛吹いて犬働かす雲の峰
自解=テレビで牧羊犬の訓練を見た
月刊誌「俳句四季」の特選第1句に入った。月刊俳句も推薦句となった。
月刊俳句四季甘田正翠選特選第1句
嫁せし子の蛇にも馴れてきしといふ
選者評=都会から田舎に嫁いでいった愛娘だろう。蛙も蜥蜴も知らなかった娘が、蛇にも馴れて、あまり驚かなくなったという。すっかり婚家の暮らしに慣れた娘の変化が、嬉しくもあり、いとおしくもある複雑な親心が、気負いなく率直に読めた佳句。
自解ー伊那谷のリンゴ農家に嫁いだ娘を詠んだ。
62月刊俳句店子ムツオ選推薦
犬吠の春に失礼して欠伸
選者評=犬吠埼は太平洋の荒波が直接打ち付けるので知られているが、さすがに春、駘蕩とした海が広がっている。「春に失礼」という措辞が眼目で、いかにも春の女神佐保姫と相対しているかのようなユーモアがあふれている。
自解=春に失礼が天啓の言葉。佐保姫に失礼とはよく理解していただいている。
東京新聞俳壇小澤實選3席入選
豆腐屋の笛朝顔の町をゆく
自解=早朝の豆腐屋の笛を詠んだ。
【7月の入選句】
56産経俳壇寺井谷子選
遠くより見たるあやめの哀しけれ
57毎日俳壇堀口星眠選1席
切れ味のよきゾリンゲン緑さす
58産経俳壇宮坂静生選
闘鶏の砂掻きとばし鳴けるかな
59毎日俳壇西村和子選2席
航跡の一直線の涼しさよ
60毎日俳壇堀口星眠選
笛吹いて犬働かす雲の峰
61月刊俳句四季甘田正翠選特選第1句
嫁せし子の蛇にも馴れてきしといふ
62月刊俳句店子ムツオ選推薦
犬吠の春に失礼して欠伸
63東京新聞俳壇小澤實選3席入選
豆腐屋の笛朝顔の町をゆく


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